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Solaris (1972)

Films: Jan.2018『惑星ソラリス』ほか

Feb,02 2018 17:45

惑星ソラリス』から始まった2018年1月の映画鑑賞記録。
スタートが良かったのか、なかなかのペース。
意識して自分の中で名作と思われるものを選択していたので、ラインナップが良い感じで濃い。
とりわけ、ようやくDVDを入手した久々の『バッド・ルーテナント 刑事とドラッグとキリスト』はやっぱり素晴らしいの一言。
そして、こちらは初めて観たアメリカはデニース・ホーク初監督作品、『手遅れの過去』の圧倒的衝撃。
最近、映画を観るのが前にも増して楽しい。

観た映画: 2018年1月
映画本数: 27本
鑑賞時間: 3662分

バッド・チューニング

バッド・チューニング

初めてかと思ったら観てた。邦題は『幻惑されて』で良かったんじゃないか。'76年設定でベタな選曲なものの、何故だかフロイドとツェッペリンは流れない軽めな青春群像劇。若かりしマシュー•マコノヒーのイケメン度にビビる。まずまず。

鑑賞日:01月31日 監督:リチャード・リンクレイター

灼熱の肌

灼熱の肌

選択の余地がある時代とない時代、選択の余地がある奴とない奴となかなか複雑な人間模様。そして不器用さにも色々と種類とタイミングがある。フィリップ•ガレル作品に割とお馴染みジョン•ケイルのサントラと何やら横にデカいモニカ•ベルッチもセクシーで良かった。良作。

鑑賞日:01月30日 監督:フィリップ・ガレル

カスパー・ハウザーの謎

カスパー・ハウザーの謎

なぜ息をする様にピアノが弾けないんだと感じてしまう事自体が途轍もない悲劇。自然、不自然は人と環境による。しかし凄い題材。キッチリこなすブルーノ•Sも凄い。良作。

鑑賞日:01月29日 監督:ヴェルナー・ヘルツォーク

マンソンファミリーの休暇

マンソンファミリーの休暇

義理の兄の父親がチャールズ•マンソンと云う超展開。認める認めないってのがテーマではあると思われる。名前を伏せて、あの出来過ぎな名曲たちを聴かせるのは反則だろう。なかなか。

鑑賞日:01月28日 監督:J・デイビス

キャロル

キャロル

ケイトおばさんの醸し出すただならぬオーラは流石としか言えん。世界最高クラスの造形。耐え難きを耐えの辺りの尺がもうちょっとあると重厚さが増したのかも。限りなくマイケル•ナイマンっぽい曲もなかなか雰囲気は出ていた。良作。

鑑賞日:01月27日 監督:トッド・ヘインズ

シン・シティ

シン・シティ

ようやく観られた。派手だなぁ。やってる事はデスペラードなんかと大差ないのだけれども、見応えのある世にも見事な映像演出で骨太な事この上なし。男の哀愁のバランスも絶妙。傑作。

鑑賞日:01月25日 監督:ロバート・ロドリゲス,フランク・ミラー,クエンティン・タランティーノ

大いなる沈黙へ グランド・シャルトルーズ修道院

大いなる沈黙へ グランド・シャルトルーズ修道院

決して苦行じゃないのだけれども、ひたすら静かなので睡魔と格闘する。で、油断していると鐘の音で起こされる。厳格な修道院で繰り広げられる生活。"災いが起きた時、そこに主はいなかった"と何度も挿入されるも頑ななまでに祈る坊さん達。なかなか。

鑑賞日:01月24日 監督:フィリップ・グレーニング

バリーリンドン

バリーリンドン

何年か経つと観たくなる。のっけのサラバンドで悲壮な全てを物語る。高感度レンズで撮影された蝋燭の灯りや全てのシーンの絵画的な美しさは言うまでもない。キューブリックのどの作品にも共通して技術レベルから底上げするってのが凄過ぎる。もはや宇宙人、もしくはスターチャイルドレベル。傑作。

鑑賞日:01月23日 監督:スタンリー・キューブリック

手遅れの過去

手遅れの過去

長回しから入れ子的な演出、エンディング、下半身丸出しにも動じない男と全てが見事としか言いようがない。久々に凄いもんを観た気がする。傑作。

鑑賞日:01月22日 監督:デニース・ホーク

グッド・タイム

グッド・タイム

どこまでも駄目な感じでその場をしのぎまくる。良作。

鑑賞日:01月21日 監督:ジョシュ&ベニー・サフディ

バッド・ルーテナント 刑事とドラッグとキリスト

バッド・ルーテナント 刑事とドラッグとキリスト

熱烈に観直したかった一本。ナメて欲しいのかナメて欲しくないのか、悪徳の限りを尽くすチートな刑事ハーヴェイ•カイテル。神の不在で悶絶する様の鬼気迫る事。終始ズタボロな訳だけれども、信仰に対しての見返りがあると見た方がしっくりくる。傑作で名作。

鑑賞日:01月20日 監督:アベル・フェラーラ

ルパン三世 カリオストロの城

ルパン三世 カリオストロの城

おんじやらユキちゃんみたいなのも出てくる。モーションや背景、音楽等々、何度観ても同じところで感嘆する。傑作。

鑑賞日:01月19日 監督:宮崎駿

トリシュナ 渇望する愛の落日

トリシュナ 渇望する愛の落日

あまりにインドでカレーが食いたくなる。イギリスの古典文学をインド舞台に置き換えたとの事。マイケル•ウィンターボトムによくあるアンニュイエロスな雰囲気でなかなか。散々オモチャにされつつも無念の苦悩。ポーティスヘッドの使いどころも良かった。良作。

鑑賞日:01月18日 監督:マイケル・ウィンターボトム

プッシャー3

プッシャー3

久々の鑑賞。3作目。フラストレーションの積み重ね方の丁寧な事。薬切れの効果音も絶妙。臓物の回転のユーモア等々、全く隙のない出来栄え。傑作。

鑑賞日:01月17日 監督:ニコラス・ウィンディング・レフン

プッシャー2

プッシャー2

久々の鑑賞。2作目。後頭部にデカデカと彫ってあるのに誰からもリスペクトされない、ホームラン級の馬鹿を演じるマッツ•ミケルセン。何故だか愛おしささえ感じさせる上手さ。確実に前作から、より洗練されている印象。傑作。

鑑賞日:01月16日 監督:ニコラス・ウィンディング・レフン

エンドレス・ポエトリー

エンドレス・ポエトリー

相変わらず振り切れているホドロフスキー爺。徹底した映像美は健在。あられもないアダン等々、余裕の映倫突破は流石。前作に続いて、ホドロフスキー爺の老いた上での視点ゆえに言葉の重みがあり、力強い。エル•トポのサントラをサラッと流すあたりもニクい。自伝を撮り終えたら死んじゃうんじゃないかと、それだけが心配。傑作。

鑑賞日:01月15日 監督:アレハンドロ・ホドロフスキー

プッシャー

プッシャー

1作目。久々の鑑賞。ネタの様な不運でどんどん追い込まれる主人公。レフン監督によるヴァイオレンスの様式美が既に完成されている上に、それがまた多種多様。今とは全然様子の違うマッツ•ミケルセンも出てる。良作。

鑑賞日:01月14日 監督:ニコラス・ウィンディング・レフン

シーズ•ガッタ•ハヴ•イット

シーズ•ガッタ•ハヴ•イット

ハイハイは後ずさりだったって台詞はなかなか書けないと思う。今とは様子の違う80年代のブルックリンと気の利いたユーモアで結構好き。良作。

鑑賞日:01月11日 監督:スパイク・リー

ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール

ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール

久々の鑑賞。筋金入りのギターポップおじさんの本気。曲だけでもキラキラするものを作れるスチュアート•マードックなので、これだけのものを作れるのもなんの不思議はない。肉は食べないミート•イズ•マーダーにモリッシーとは酒は飲めん等々のネタ満載。良作。

鑑賞日:01月10日 監督:スチュアート・マードック

雁の寺

雁の寺

お色気ムンムンな若尾文子が近くにいてもなお、耐えるという一番の苦行。多彩なアングルとある意味、力技な完全犯罪と見応え十分。良作。

鑑賞日:01月09日 監督:川島雄三

少年は残酷な弓を射る

少年は残酷な弓を射る

ダミアンみたいな恐ろしいガキに悩まされるティルダ•スウィントン。至る所の赤の見せ方となかなかな演出。斬鉄剣っぽいのやらエクスペリメンタルなジョニー•グリーンウッドのスコアも良かった。食育の大事さも考えさせられる。良作。

鑑賞日:01月07日 監督:リン・ラムジー

狂気の行方

狂気の行方

狂ったマイケル•シャノンが観たくて再鑑賞。一挙一動が面白痛々しい。ローラの母ちゃんにウド•キアとキャスティングにも隙がない。サントラ最高。良作。

鑑賞日:01月06日 監督:ヴェルナー・ヘルツォーク

この世界の片隅に

この世界の片隅に

ようやく観られた。問答無用で心が締め付けられる。傑作。

鑑賞日:01月05日 監督:片渕須直

イカとクジラ

イカとクジラ

久々の鑑賞。あんな親ならピンク•フロイドを盗作したくもなる。ex-ギャラクシー500のディーンを始め、選曲もなかなか。壮絶な記憶違いが微笑ましく、実に人間的。以前は気付かなかったけれども、ノア•バームバックのオチ感はこの頃で既に完成されてたのね。良作。

鑑賞日:01月04日 監督:ノア・バームバック

冬の光

冬の光

久々の鑑賞。牧師の嘆きの吐露の光のシーンの秀逸な事。神の存在の表現として、そこには露骨さはなく、あくまでも静謐かつ繊細なスイッチとして機能するこの場面。これだけでも観る価値がある。傑作。

鑑賞日:01月03日 監督:イングマール・ベルイマン

ロケーション

ロケーション

久々の鑑賞。エロ事師の話をここまでドラマチックにする森崎東の異彩を放ちまくりながらのきめ細かさ。面白くないシーンはない。近代映画協会のお二方の存在感は流石と云うほかない。傑作。

鑑賞日:01月02日 監督:森﨑東

惑星ソラリス

惑星ソラリス

2018年の一本目。タルコフスキーお得意の流れる水。上から下へと流れる自然に抗うかの様なソラリスによって具現化された存在。ダッチワイフに入れ込む男=摂理に反する罪を狂おしいまでに問う。ソビエトの時代に敢えての「主イエス・キリストよ、われ汝に呼ばわる」のアナーキーと云うか信念なチョイス。ブリューゲルのシーンは何度観ても鳥肌もの。傑作。

鑑賞日:01月01日 監督:アンドレイ・タルコフスキー