
Films: Aug.2012『ペーパー・ムーン』ほか
Sep,03 2012 02:10
なんだかお洒落な映画ばっかり観ている印象の8月。
ちゃんと映画館で映画観たいなぁ。
観た映画: 2012年8月
映画本数: 32本
鑑賞時間: 3259分
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あこがれ/大人は判ってくれない
久々の鑑賞。厨二病全開の2作品であるが、実に複雑な子供心を良く捉えている。長編一作目でこれは凄いなぁ。お話やカメラワークもさることながら、やっぱりジャン=ピエール•レオのあの眼差しに尽きる気がする。名作です。
鑑賞日:08月31日 監督:フランソワ・トリュフォー
![白昼の幻想 [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51frB-qaa4L._SL75_.jpg)
白昼の幻想
久々の鑑賞。キメまくりのどサイケ映画。LSDで得られる幻想世界を表現って事で、フロイドみたいな音楽に乗せて、とにかくピーター•フォンダがラリってる。錚々たる顔ぶれのもとに制作された今作ではあるが、映画としてはいささかお粗末な気がする。が、PV視点で観ると極上のサイケ体験が出来る。実に羨ましい世代、こんな時代に青春したかった。
鑑賞日:08月30日 監督:ロジャー・コーマン
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天国の口、終りの楽園。
何年か前の暑い時期の深夜に観て以来の鑑賞。まだ初々しい頃のガエル•ガルシア•ベルナルとディエゴ•ルナが日本人的には綺麗とは言い難いセクシーなお姉さんと"天国の口"なるビーチを求めて旅をする。思春期の馬鹿丸出しの幸福な時代をかなり露骨に描いている。暑い時期に暑い国の映画はなかなかオツである。多くの人が経験する、時を経てからの邂逅のぎこちなさも胸をチクリと刺す。ガエル君の出演作の多くと同様にボンボンサイドの映画って事を抜きにしても良い作品である。
鑑賞日:08月29日 監督:アルフォンソ・クアロン
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ふくろう
久々の鑑賞。かなり悲惨な話を一級のコメディに仕立て上げ面白いのだが、新藤兼人監督作品にしてはいささかダレる。『生きたい』と同様に大竹しのぶの怪演が凄まじいが、今作においてはやや怪演頼みな気がしなくもない。大竹しのぶと伊藤歩の二択だったら間違いなく後者であるが、まぁ熟女好きの多い事。どうでも良いけど、原田大二郎は終わるの早過ぎだろ。良作。
鑑賞日:08月28日 監督:新藤兼人

ランボー
TVで放送してたのでついつい。ベトナム反戦云々の訴えもスタローンにかかると何故かアクションで掻き消される不思議。本人は至って本気なのでしょうが。それを抜きにしても面白いけど。グリーベレー上がりのゲリラ戦のプロにフジロックに軽装で来たったwみたいな連中が叶うわけはなく、一蹴される保安官たち。こんな憂き目にあったのも、元はと云えば身から出たサビ的な感じは否めない。小学生の頃に縦笛でランボーのテーマをコピーしてたのは良い思い出。良作。
鑑賞日:08月27日 監督:テッド・コッチェフ
![自由の幻想(1974) [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/41NfU9ZOzQL._SL75_.jpg)
自由の幻想(1974)
我々が常識と捉えているものをこれでもかと壊しまくる。あまりに滑稽と思ってしまうのは、自分がこっち側の概念に慣れ親しんでいる未熟者だからな訳なのか、そうでないのか。これもある意味、パラレル•ワールドな訳でそれを許容する器の広さが自分にないのは、ルイス•ブニュエルにしてみたら色々と損してるねぇと言われそう。アナーキー且つかなり笑える作品である。凄いなぁ。
鑑賞日:08月27日 監督:ルイス・ブニュエル
![インモラル物語【ヘア解禁】 ニューマスター版 [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51vI98rAS5L._SL75_.jpg)
インモラル物語
怠惰で自堕落な様々な時代を描いた4本のオムニバスからなる作品。全体的にダラっとした感じではあるものの、エロを童話みたいな語り口でまとめている。なんとなくパゾリーニを彷彿とさせる映像は嫌いではない。ヘアー解禁版を観たのだが、別に解禁しなくても良い気がする。これでもかってくらいに陰毛祭り過ぎてちょっとウンザリしたけれども、まぁ程々に面白かった。
鑑賞日:08月26日 監督:ヴァレリアン・ボロヴツィク
![フローズン・タイム [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51OQV7vix1L._SL75_.jpg)
フローズン・タイム
女体マニアな美大生が失恋の痛手から、ジョジョで云う所の"The World"の能力を習得してしまう。加速も停止もできるけど、巻き戻しだけできないと云うジレンマと絵画よろしく時間停止の世界を貪る美大生って設定もなかなか洒落ている。で、"落ち込んだりしたけれど、私は元気です"的な帰結。時間は円を描いているのですね。MTVっぽい映像の連続であるけれど、丁寧に作り込まれているし、イギリス的なコメディ要素もキライじゃない。フードの男だけ良く分からんかった。良作。
鑑賞日:08月25日 監督:ショーン・エリス
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崖の上のポニョ
TVにて。解禁しちゃいましたね。現地の人にしてみれば、シャレにならん気もする。穿った見方をしちゃイカンと思いつつも、やっぱり何か物足りない一本。が、アニメーションは流石です。
鑑賞日:08月24日 監督:宮崎駿
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恋人たちは濡れた
ポルノの枠を余裕で超えている、神代辰巳監督の青春映画。訳ありの体で海辺の街に流れついた青年は口々に街の人間から、かつてこの街にいた"カツ"であると言われる。それを頑なに否定し続ける青年の自堕落な青春描写は後の"青春の蹉跌"や"宵待草"などを彷彿させる。結局、青年がこの街の人間だったのかどうかは問題ではなく、このアンニュイさが神代作品の醍醐味である気がする。今作に出てくる青年が働くポルノ劇場は実に理想的な職場である。羨ましい。
鑑賞日:08月23日 監督:神代辰巳
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お葬式
不謹慎だけど最高。伊丹十三監督1作目。多くの人が口に出しては言わないけども、面倒だと思っている"葬式"を題材としている訳ですが、観終わった後にはやっぱり儀式として大事なものなのだなとちょっぴり思った。実際のお葬式でも、妙に手際が良かったり、滑稽な事が連発したりと、伊丹十三監督はそのあたりの人間観察が鋭い。大滝秀治のクドさに笑い、菅井きんの名挨拶に泣く。青姦シーンと丸太ブランコの繋ぎは見事です。傑作。
鑑賞日:08月22日 監督:伊丹十三
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ラ・ジュテ
昨日観た『裸の島』に続き、見事としかいい様がないミニマルな作品。全編スチールの切り替えと平坦なナレーションだけで第三次世界大戦を描くお話。肉体を失った魂が過去=現在=未来の精神世界を死者の想念の如く旅するかの様に連続に映し出される静止画像。その中で主人公の未知なる未来でもなく、荒廃した現在でもなく、生きた証としての"本物"の過去が一瞬の動画と共に描かれる。胸に突き刺さる一本。
鑑賞日:08月20日 監督:クリス・マルケル
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ビッグ・フィッシュ
TVでやってたので、久々の鑑賞。決してつまらなくはないのだが、どうにもグダグダしている。相変わらず映像は凝ってるけど。若き日の主人公の完璧っぷりが、かなり若大将とかぶる。確かに若大将シリーズもお伽話みたいなもんだし、仕方ないか。程々にしないと妄想乙と言われてしまうので、バランス良くありたいものです。
鑑賞日:08月20日 監督:ティム・バートン
![裸の島 [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/5121gVWpcmL._SL75_.jpg)
裸の島
暑い時期になると観ている気がする一本。それもクーラーが効いた部屋で...。セリフを排した映画は数あれど、この作品ほど雄弁なのは思いつかない。主に描かれるのは水汲みに離島と本土を一日に何往復もするかなり過酷な無限ループ。そして林光の美しい楽曲もまた繰り返し流れる。荒れ果てた土地で、とにかく生きている。短調な日々の連続と不意に訪れる変化。遠くに上がる花火が距離感を物語り、そして切ない。乙羽信子は今作でも体張りまくり。名作。
鑑賞日:08月19日 監督:新藤兼人
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リアリズムの宿
何本か観た、つげ義春の映画化作品の中では断トツに面白い。なるほどジャームッシュに通ずる、ある意味強烈なロードムービー。終始気まず〜い空気に支配された中での絶妙な間は見事。日本独特の貧相さが、不謹慎にも笑いを誘う。あるあるネタの宝庫です。くるりのサントラも寂れた感じで良かった。傑作。
鑑賞日:08月18日 監督:山下敦弘

インファナル・デイズ~逆転人生~
香港映画を観るタイミングでない気もするが、借りちゃったので仕方ない。『インファナル•アフェア』を遡る事10数年、トニー•レオンとアンディ•ラウの入れ替わりモノのあったのですね。タイトルは後付けっぽいですが、どうやら元ネタみたい。エリートとチンピラが入れ替わるのだが、シリアス度は嘘みたいに無い。古き良き時代の香港映画を踏襲しまくった、無駄な笑いが満載で結構面白い。何よりキョーレツだったのはウォン警視。完全に黒歴史です。
鑑賞日:08月17日 監督:ハーマン・ヤウ
![唇からナイフ [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51S-T0hEnqL._SL75_.jpg)
唇からナイフ
一体何がしたいのか良く分からん映画。007シリーズにあやかった女版スパイもの。テーマソングやらスウィンギン•ロンドンな感じは嫌いではないのだが、ちょっとお粗末過ぎて逆に楽しくなってきた。ダーク•ボガードの細過ぎる眼鏡はあんまりである。まぁ、色々と面白いとこもあったので、観といて良かった。
鑑賞日:08月16日 監督:ジョセフ・ロージー
![人生はビギナーズ [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51wSVEQ7dOL._SL75_.jpg)
人生はビギナーズ
カミングアウトして堰を切ったようにアピール上手になり、人生を謳歌する父と、なんだか上手く行かない息子•オビ=ワン。人生やり直すのは幾つになろうが、関係ないって話ですね。けども、何故だか『今やり直せよ。未来を。10年後か、20年後か、50年後から戻ってきたんだよ、今』ってのを思い出した。全体的にややテーマを拡げ過ぎで回収できてない感は否めないけど、面白かった。ちょいメンヘラのメラニー•ロランが可愛い。良作。
鑑賞日:08月16日 監督:マイク・ミルズ
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君とボクの虹色の世界
『ザ・フューチャー』の公開も楽しみなミランダ•ジュライの長編一作目。何度観ても細部へのこだわりが徹底しているなぁと感じるし、不思議と飽きない。彼女のお気に入りであろう色んな要素がちりばめられており、観てるこっちがニヤリとしてしまう。自分の好きなものに忠実なのでしょう。現実にあんな不思議ちゃんがいたら気持ち悪い気もするが、嫌いでもない。彼女の小説も含め、凄く好きです。
鑑賞日:08月15日 監督:ミランダ・ジュライ
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抱擁のかけら
ペネロペと映画監督と執念深い社長サン+etcと題材は完全に昼ドラっぽい愛憎劇なのに、そこはアルモドバル監督、レベルが違います。映像の使い方が上手過ぎですね。破られた写真を復元して行くと云うメタファーがジグソーパズルの様な話の筋とリンクして再生へと向かうあたりは流石です。最後のセリフ『映画は完成させないと、たとえ手探りでも』にはグッときた。しかし、女も男も怖いね。
鑑賞日:08月14日 監督:ペドロ・アルモドバル
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ミステリー・トレイン
久々の鑑賞。オムニバス形式の今作、ジャームッシュ作品としては厳しい意見も多いけれども、割と好き。と同時に白人コンプレックスな日本人があまりに滑稽に見えていささか切なくもある。とりあえず旅行に行って、ホテルのフロントにスクリーミン•J•ホーキンスみたいのがいたら面白い反面、嫌だなぁ。
鑑賞日:08月13日 監督:ジム・ジャームッシュ
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マルサの女2
これはこれで嫌いじゃない2作目。マル サ コワイヨ感は相変わらず。トカゲの尻尾切りなドス黒い社会構造と戦うマルサな訳だが、悔しいラストがなかなかリアルで良い。ご老体•三國連太郎にしてみれば、夢の様な洞口依子との絡みも男のロマンを感じさせます。しかし笠智衆が出てくると一瞬にして和むのは凄いな。良作。
鑑賞日:08月13日 監督:伊丹十三
![サンキュー・スモーキング (特別編) [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/5179jnBlwCL._SL75_.jpg)
サンキュー・スモーキング
なかなか面白かった。自分の事を自分で決めるって難しいのだなと痛感。この映画は別に喫煙者を肯定している訳ではなく、情報に翻弄させられている人達を思いっきり皮肉っている映画と云う印象。TVで見かける様になった『この後、スタッフが美味しく頂きました』的なやつを思い出した。クレームを入れる方も大概だが、どっちもどっちと云う話。そんなのが当たり前になった現在に一石を投じる作品。良作。
鑑賞日:08月12日 監督:ジェイソン・ライトマン
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エヴァの匂い
モリッシー似の男が不法侵入してきた高飛車な女•ジャンヌ•モロー(マモー似)を好きになってしまい、散々振り回されまくった挙句に身の破滅に到るお話。ハッキリ云って自分にはジャンヌ•モローが全く魅力的には映らないので、かなり苛々する。どこか話の流れに抜けている感じが否めない作品ではあるものの、要所要所で異常に格好良い演出が連発する。観終わってみると結構面白かった。
鑑賞日:08月12日 監督:ジョセフ・ロージー
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若草の萌えるころ
愛する伯母の迫り来る死のにおいを敏感に嗅ぎ分けてしまう少女の心情を描いた映画。で、思いっきり現実逃避の一夜を過ごす。現実逃避しながも、どこかアンニュイな感じってのがこの映画のテーマなのでしょうね、きっと。ちょいちょい盛り込まれる毛沢東やらスペイン内乱はあんまり関係ない気はするのだが、そこそこ面白かった。
鑑賞日:08月09日 監督:ロベール・アンリコ
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インファナル・アフェア III 終極無間
完全に後出しの登場人物に加えて、突如としてサイコな展開になる『無間道』3作目。『男たちの挽歌』や世にある数々の映画と同様に3作目はなかなかキツいものがある。そんな訳で賛否両論の今作ではあるが、やっぱり面白い。イタイ奴と化したアンディ•ラウが切なさを極めるあたりに、この映画のテーマをヒシヒシと感じる。ケリー•チャンとトニー•レオンのラブコメっぽいとこも必要なんでしょうね...やっぱり。割と傑作。
鑑賞日:08月08日 監督:アラン・マック
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インファナル・アフェアII 無間序曲
前日譚の『無間道』で2作目。アンディ•ラウとトニー•レオンにまるっきり面影のない2人を軸に進む今作ではあるが、それが気にならないくらいの見事な仕上がり。モロに『ゴッドファーザー』なネタが出まくるのはご愛嬌って事で。若い2人と同様にウォン警部とサムのやり取りもシビれる。無理ゲーな殺しのシーンは生き埋めが一番嫌です。傑作。
鑑賞日:08月07日 監督:アラン・マック
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インファナル・アフェア
この時期は『仁義なき戦い』を観たくなるのだが、何故か『無間道』シリーズを何度目かの鑑賞。しかし見事な無限地獄っぷり。太陽の元で堂々とできる男とそうじゃない男を中心にかなり熱いドラマが展開される。アンディ•ラウの善人になりたいのに、上手く行かない感が観ていて特に切ない。ゴリ似のトニー•レオンはやっぱりカッケー。スコセッシ版も観てみたい。傑作。
鑑賞日:08月06日 監督:アンドリュー・ラウ、アラン・マック
![悶絶!!どんでん返し [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/216KMJSZBDL._SL75_.jpg)
悶絶!!どんでん返し
またまた狂った神代辰巳監督作品。この人は女に恨みでもあるんじゃないかと錯覚する程の鬼畜っぷり。ロマンポルノなのに東大出のエリートがひょんな事からオカマになると云う型破りな設定。よくもまぁ思いつくなと感じる、笑えるシーンが色々と盛り沢山である。あんたがたどこさのジャズアレンジがやたら格好良い。
鑑賞日:08月06日 監督:神代辰巳
![マルサの女 [Blu-ray]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51AqVBSpC-L._SL75_.jpg)
マルサの女
何度観ても傑作。キレキレの監督•伊丹十三。細かいところまで抜かりなく、シーンに全く無駄がない。宮本信子vs山崎努の奇妙な敵同士は勧善懲悪に陥る事なく、実にお互いを魅力的に描いている。津川雅彦を筆頭に脇を固める役者も素晴らしい。個人的にはやっぱり軽い感じの小林桂樹と"マルサのジャック•ニコルソン"こと大地康雄がお気に入り。骨太な日本映画。
鑑賞日:08月05日 監督:伊丹十三
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隣の家の少女
最狂最悪の作家、ジャック•ケッチャムの鬼畜小説をしなくても良いのに映画化しちゃった一本。流石に劇場作品だけあって、小説よりはマイルドな仕上がりにはなっているものの、可能な限り忠実に再現されている。意外と細かい人間描写にキレがあり、オチはともかく監督の手腕はなかなか。とりあえず、処女作『オフシーズン』の映画化でなくて良かった。
鑑賞日:08月03日 監督:グレゴリー・M・ウィルソン
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ペーパー・ムーン
最高。『都会のアリス』も好きだが、こっちも好き。バリー•リンドン=ライアン•オニールとテイタムの似ているのはアゴだけじゃない父娘のロードムービー。何から何まで良くできている。"It's Only a Paper Moon"の歌詞がまたグッとくる。何度でも観たい大傑作。
鑑賞日:08月01日 監督:ピーター・ボグダノヴィッチ
category: 映画レビュー
tags: 2012年映画レビュー