Films: Jun.2016『ファンタスティック・プラネット』ほか
Jul,02 2016 12:30
ブルーレイ整理ついでの鑑賞が多かった6月
ファンタスティック・プラネット筆頭に気のせいかフランスものが多い気もする。
25年経ってしまったツイン・ピークス情報で久々にリンチも観てしまった。
観た映画: 2016年6月
映画本数: 23本
鑑賞時間: 2577分
ミシシッピー・バーニング
アメリカ様の文字通り黒歴史を描くアラン•パーカー。ザ•ウォール然りえげつない差別描写がなかなか。男前ジーン•ハックマンとツルツルしたウィレム•デフォーも良かったけれども、ハートマン軍曹の小物っぷりが一番衝撃だった。良作。
鑑賞日:06月28日 監督:アラン・パーカー
青い山脈 前・後篇
再鑑賞。学園ものでありがちな陰険さとあやふやな民主主義が露呈する作品ではあるものの、ひたすら健全。そしてきちんと東宝娯楽映画。善人原節子は清楚風より『白痴』の悪女風の方がやっぱり好きだ。主題歌と共に良作。
鑑賞日:06月28日 監督:今井正
マーラー
トミー然り大袈裟で前衛的な悪夢描写はなかなか見応えがある。ヴェニスに死すはオマージュなのかイギリス的皮肉なのか良く分からんけれども、ちょっと嬉しいシーンではある。なかなか良作。
鑑賞日:06月25日 監督:ケン・ラッセル
ロスト・ハイウェイ
死刑宣告された男の現実逃避劇場。故にカメラ嫌い、そして愛(嫉妬)故に己が手を汚しに汚しまくって迷走を極める。ブロンド、ブルネットの使い分け、満を持してのThis Motal Coilの使い方なんかもリンチ作品の絶頂期って感じ。何度観ても素晴らしい、傑作。
鑑賞日:06月22日 監督:デイヴィッド・リンチ
ヴァン・ゴッホ
ゴッホの芸術家的な不幸全般がテーマではある。ヒモ環境やら歳の離れた少女やらで負け組なんだか勝ち組なんだかよく分からなくなってくる。端から見るとそんなだけれども本人としてはプライドに悩まされると云う。詳細無視でザクザクと大胆に場面転換するのはなかなか良かった。良作。
鑑賞日:06月21日 監督:モーリス・ピアラ
ワーテルロー
イタリアとソ連合作で英仏の戦を描く、で、台詞は英語と云うなんともな一本。2時間版の方を鑑賞したものの、それでも緩急が無い感じで終始ダラダラしている印象。エキストラの多さと陣形の空撮はなかなか迫力はあったものの、心の声とかは不要な気がする。ちょい役のオーソン•ウェルズが一番存在感があった。限界を突破した男と呼ばれたい。まずまず。
鑑賞日:06月19日 監督:セルゲイ・ボンダルチュク
盗聴作戦
犯罪計画もお巡りもお粗末レベルの大味。ではあるものの、後半の構成は緻密を極める。流石のシドニー•ルメットとクィンシー•ジョーンズの組み合わせは『質屋』然り素晴らしい。国家権力の不気味さを匂わせつつ終わるラストもなかなか。良作。
鑑賞日:06月16日 監督:シドニー・ルメット
小さい逃亡者
映画と言えども、あまりにあんまりである。世にもいけ好かないガキが恩のある宇野重吉をほったらかした末に不法入国、無賃乗車の我が物顔でロシアを横断するとんでもない作品。日ソ初の合作映画に平常運転で登場する殿山泰司が見られただけが収穫。まずまず。
鑑賞日:06月15日 監督:衣笠貞之助
エリザベス
ヴァージン•クィーン(建前)な伝記映画だけれども、ちょっと雑なのが気になる。史実を追うにはいささか尺が足りない気もしなくはない。でゴッドファーザー的展開で無理矢理締めるみたいな...。が、後のブルージャスミンとは思えない程に初々しいケイト•ブランシェットが可愛いかったし、カントナの見せ場も多かったので良しとしたい。
鑑賞日:06月14日 監督:シェカール・カプール
天才スピヴェット
デリカテッセンのあたりからの基本的な作風でどっからどう見ても、そしてドミニク•ピノンが出てればキッチリとジュネ監督作品ではある。映像も凝っているし、ストーリー性も一応はあるのだけれども、何か最後が弱い気もしなくはない。ジュネ風なアメリカも悪くはないが、この監督はやはりヨーロッパ風の毒々しいやつの方が好み。面白かったけど。
鑑賞日:06月14日 監督:ジャン=ピエール・ジュネ
バッファロー'66
パルコが閉まるから放送しているのか、昔懐かしの再鑑賞。証明写真の下りも含めて、全体的に初期ヴェンダースっぽい風味があるけれども実に良く出来ていると思う。思い悩み疲れ切っているピュア男の描写としてはなかなかジーンっとくるものがある。プログレな各シーンはキッチリと名シーンしていると思う。良作。
鑑賞日:06月13日 監督:ヴィンセント・ギャロ
月曜日のユカ
ライブリー整理ついでに再鑑賞。障害者と紙一重なレベルのボケっぷりと素直さで男どもをメロメロにするユカ。彼女の思う愛と善行のズレからの合致の物語が中平康のアヴァンギャルドな映像で綴られている。良作。
鑑賞日:06月10日 監督:中平康
愛すれど哀しく
俺は働きたくないキリッと宣言するドクズ男にしこたま立ちんぼさせられる主人公。古今東西良くある感じのお話ですが、真人間への更生失敗でちゃんと哀愁しておりました。良作。
鑑賞日:06月09日 監督:マウロ・ボロニーニ
サスペリア
ありとあらゆる色の照明でMAXなB級映画感、そしてかなり雑な筋にも関わらず面白い。蛆虫地獄に針金地獄、更にはウド•キアーの贅沢使いと凄まじい。やたらと印象深いプログレな曲が流れていると思ったらゴブリンだったか。これは良作。
鑑賞日:06月08日 監督:ダリオ・アルジェント
愛しのローズマリー
ジャック•ブラック訃報(ガセ)があったので、なんとなくの再鑑賞。内面の美しさがテーマの作品ではある訳だが、必要以上にフリークス級を出してくるゲスさが光る。しかしながら最後はジャック•ブラックがイケメンに見えてくる。ニール•ヤングを始め選曲もなかなか秀逸。良作。
鑑賞日:06月07日 監督:ボビー・ファレリー
菊豆
半端ない災い感。褪せた色合いの村とパキっとした鮮やかな色彩の組み合わせ。チャン•イーモウお得意の映像表現と艶かしいエロスとドロドロ感はこの頃で既に確立されている模様。設定含めて若干心理描写が強引な気もしなくはないが、嫌いじゃない。良作。
鑑賞日:06月06日 監督:チャン・イーモウ
暗くなるまでこの恋を
暑いところから始まり、寒いところで終わる。斬新な場面は多々あり、流石のトリュフォー。...だけれども主演の二人のやり取りがあまりにバカとクズ過ぎて、見てらんない感じ。まずまず。
鑑賞日:06月02日 監督:フランソワ・トリュフォー
category: 映画レビュー
tags: 2016年映画レビュー