Films: Mar.2017『ショック集団』ほか
Apr,05 2017 12:00
なかなか地味なラインナップな3月。
結構駄作ばっかり観ていた気もしたけれども、こうしてみると掘り出し物もある。
特にサミュエル・フラーの3作品は実に良かった。
観た映画: 2017年4月
映画本数: 18本
鑑賞時間: 2666分
オン・ザ・ロード
コッポラ版権からようやくの映画化の今作。原作にかなり忠実な上、ケルアックの巻物まで出てくるものの、映画としては微妙にテンポが悪い気もしなくはない。モーターサイクル•ダイアリーズの方が好きだけれども、まぁ観て良かった。
鑑賞日:03月28日 監督:ウォルター・サレス
仁義の墓場
他の追随を許さない狂気の仁義なきどクズを熱演する渡哲也。あまりのニューエイジっぷりで誰からも理解されず朽ちて行くと云う途轍もなくデカダンスな一本。面白い。良作。
鑑賞日:03月21日 監督:深作欣二
Masaan
良く分からんけれどもイメージするインドっぽい。タイトルが火葬場と云う意味との事で、事物の始まりから終わりまでの成り行きを河と云うモチーフと上手い事演出されている何だか悲壮な一本。ヒンドゥーの匂いを感じた。
鑑賞日:03月21日 監督:ニーラジ・ゲーワーン
DOOR
結論、関根恵子時代の方が良かった。終始肩パットのバブリーな衣装は仕方ないとして、あまりにあんまりではある。映画的な都合か対処があまりに稚拙でモヤモヤする。シャイニングばりの扉破りへの反撃も斜め上を行くクオリティ。久々に酷いもんを観た気がする。
鑑賞日:03月15日 監督:高橋伴明
わらの犬
ジリジリとスコティッシュDQNに追い詰められてからの畳み掛けは流石のペキンパー。が、陰鬱な舞台設定かストーリーのせいか監督作品の中でも群を抜いて胃が痛くなる。カミさんが馬鹿過ぎるのにも問題がある気もしなくはない。強烈な一本ではある。
鑑賞日:03月14日 監督:サム・ペキンパー
月に囚われた男
偉大過ぎる父親を持つプレッシャーの割に頑張っている気はする。火の鳥かどっかでありそうな話ではあるものの、キチンと演出されているので、あまり飽きない。ケビィン•スペイシー声はHAL9000程冷淡じゃなかったってのも人間味があって良い。良作。
鑑賞日:03月13日 監督:ダンカン・ジョーンズ
鬼畜
『復讐するは我にあり』の時期の色気のある小川真由美vs岩下志麻の序盤における怪演バトルから、あの手この手で鬼畜ぶりを発揮する緒形拳。子供の覇気のなさと大人のヒステリーっぷりを狙ってやってたとしたら、これはなかなか。大人が駄目過ぎて子に捨てられると云う珍しいケース。良作。
鑑賞日:03月11日 監督:野村芳太郎
裸のキッス
『裸のキッス』なかなか病んでる。障害者施設でのお歌の下りとか特に(音源欲しい)。スキンヘッドのオープニングから始まり裏世界から足を洗えない女の上がったり下がったり。意識高い系も売春婦も化けの皮を剥がしてみれば中身は別物。街の映画館でちゃっかり前作上映中。かなり好き。
鑑賞日:03月08日 監督:サミュエル・フラー
ショック集団
『ショック集団』特ダネ欲しさにキ印の振りをして精神病院に潜入...するもミイラ取りがミイラになってしまったでござる。割とベタな筋ながら、時折挿入されるカラーや特撮、斬新な映像なんかで何やら凄いモンを観た様な感じにさせる。南北戦争の下りはツイン•ピークスの元ネタか。アカ狩り批判ありKKKありのなかなか強烈な一本だった。
鑑賞日:03月07日 監督:サミュエル・フラー
チャイナ・ゲイト
『チャイナ•ゲイト』アカ狩り時代ながら、なかなか人類愛に満ちた終わり方をする。テンポが悪いのか途中でいささか眠くなったけれども、ナット•キング•コールの美声は良かった。
鑑賞日:03月04日 監督:サミュエル・フラー
クリエイター
生ける屍みたいなピーター•オトゥールが神の真理を探究する...ケツ映画。後半はともかく、前半は尻に次ぐ尻。そこから実に綺麗に生命賛歌としてまとめ上げられている。ややミスマッチなムード音楽以外は良作。
鑑賞日:03月03日 監督:アイヴァン・パッサー
昭和枯れすすき
昭和の風俗を堪能するには良いものの、どうにも全体的に稚拙な気もしなくはない。監督、脚本で駄作なしの新藤兼人が嘘みたい。秋吉久美子の妹無双は流石なものの、藤田敏八作品を上回る程ではなかった。まずまず。
鑑賞日:03月01日 監督:野村芳太郎
category: 映画レビュー
tags: 2017年映画レビュー