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王女メディア

Films: Nov.2024『王女メディア』ほか

Dec,01 2024 11:30

曲は次々とできるのに相変わらず前に進まない11月。歳をとると(人によると思うけれど)、どうにも考え過ぎてしまう傾向が強い。初期衝動みたいな勢いと適当さの絶妙な塩梅で進められたらと考える今日この頃。
そんなかんなで今年ずっと読んでる『失われた時を求めて』の延長な感じでジェレミー・アイアンズ=スワンな『プラド美術館 驚異のコレクション』から始まり、ロバート・デュバルとほっこり猫映画な『ヘンリエッタに降る星』、E・G・ロビンソンとマックィーンのまさに息を飲むポーカーフェイス演技対決で見応えのある『シンシナティ・キッド』、クロード・ソーテ監督続きもので『愛を弾く女』とそんな感じの序盤。
久々の今敏監督『パーフェクトブルー』から『WXIII 機動警察パトレイバー』に続いて夏頃に最初だけで止まっていた『実写版のパトレイバー』から締めの『THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦』まで中旬はパトレイバーづくしだった印象。不評が多い実写版ながらも押井守らしさ全開で個人的には結構好き。
セイム・プレイヤー・シューツ・アゲイン』、『シルヴァー・シティー・リヴィジテッド』、『リヴァース・アングル ニューヨークからの手紙』などを集めた『ヴィム・ヴェンダース短編集』も丁度初期衝動的なものを考えていた時期でなかなか興味深かった。
そして何やら英国労働者階級ものとその周辺が多い印象もある月で、ゲイリー・オールドマン監督作『ニル・バイ・マウス』にケン・ローチ監督長編デビュー作『夜空に星のあるように』にこちらもデビュー作なコルム・バレード監督『コット、はじまりの夏』とどれもとても良かった。フレンチな藪の中な『落下の解剖学』もなかなか。
そんな訳でミランダ・ジュライ監督『ザ・フューチャー』主演のハミッシュ・リンクレイターと妻のリリー・レイブ監督作品『1984年、ダウンタウン・アウル』が何気に観始めたら傑作過ぎて悩ましいものの、画の圧倒的強さで11月の顔はパゾリーニ『王女メディア』に決定。

兎にも角にも早く作業を進めたい今日この頃。

観た映画: 2024年11月
映画本数: 26本

夜空に星のあるように

ケン・ローチ監督長編デビュー作って事で、出産シーンとドノヴァンのOPからしてキマってる。底辺シングルマザーのヨレヨレな実態な訳だけど、男を含むあらゆる悪い環境と華やかなスウィンギング・ロンドンの時代の両方に引っ張られてにっちもさっちも行ってない哀れな牛ちゃん。ウーマン・リブの意識が定着していないって頃でどうにも男に依存してしまうってのが、主人公の残念感を助長する。クライング・ゲームほか当時のヒット曲をバンバン流しながら、時折ドキュメンタリータッチ風を混える作りでかなり好き要素が多い。

鑑賞日:2024/11/30 監督:ケン・ローチ


1984年、ダウンタウン・アウル

中年女クライシスほか、街のそれぞれの住民が1984年的ディストピアから抜け出す話。赴任直後の全体主義まで行かずともビッグ・ブラザー的目を持つ一つの田舎から、キャラが個性を獲得して行く筋が素晴らしい。リアルタイムでジョージ・オーウェル読めて『E.T.』が上映されてる世界が羨ましくもある。で、ハミッシュ・リンクレイターって誰だっけと思ったら、『ザ・フューチャー』のアイツが奥さんと初監督って事で予想以上。練られた脚本とネタ台詞の宝庫な具合で、力作感は伝わってくる。的確過ぎな推しコステロほかの辛口音楽評も良かった。ミランダおばさんの元で監督自身が海を引っ張った経験が活かされたか、劇的なホワイトアウトのカタストロフィ→真っ白な世界より再び人生をって事でとても良い作品。

鑑賞日:2024/11/28 監督:ハミッシュ・リンクレイター, リリー・レイブ


コット、はじまりの夏

どえらい美少女だけで満点上げるんだけど、フォーカスの具合から始まり、全体を構成するトーンが実に良い。中でも、車で子供がどこかへ運ばれて行く時の車窓からの上向きな眺めを上手く扱ってる映画は初めてかも知れない。あちらこちらの沈黙と云う名の優しさの積み重ねで物語が進んで行く訳だけど、本来あるべき子供らしい姿を鳴り響く鐘の音にも匹敵する囁き声の一言/二言で描写するラストが非常〜に素晴らしい。マシュウ&マリラを混ぜてまた分けたみたいな2人の愛情表現が大人目線でこれまた結構来るものがある。傑作。

鑑賞日:2024/11/27 監督:コルム・バレード


落下の解剖学

裁判沙汰になる犬も食わない夫婦喧嘩って事で、被告以外の全員でモヤモヤを共有する藪の中タイプでなかなか面白かった。死人に口なしではあるものの、音声素材はあるって云う現代らしい設定と、ドイツ人とフランス人夫婦に障害を持つ子供って問題発生不可避な設定で良く出来てる。その2つは同じ事って云う原因と結果のロジックも上手いこと駆使されているので、どうしたって盛り上がる。限りなく真っ黒なザンドラ・ヒュラー母ちゃんの真相はさておき、上記のロジックと逆を行く二者択一って事で結末に向かう訳だけど、息子のショパンの連弾拒絶→母ちゃんパートをソロの流れの決断描写が秀逸。何はともあれ、グゴゴゴォと鼾をかき、必要とあらばテテテとやってくるお利口ワンコが一番頑張ってる。

鑑賞日:2024/11/25 監督:ジュスティーヌ・トリエ


リヴァース・アングル ニューヨークからの手紙

初期の短編2つに比べると大分観やすい。『ハメット』制作時のあれやこれで、それまでの作品でも顔を出すアメリカってものへ憧れから現地での戸惑いで結構苦悩してる。映像から派生させるって考え方がヴェンダースの作品たるものなのが良く分かる。あれこれ模索しながら、ハリウッドにゲンナリし、コッポラと微妙なやり取りをする若きヴェンダースでなかなか面白い。

鑑賞日:2024/11/23 監督:ヴィム・ヴェンダース


シルヴァー・シティー・リヴィジテッド

街を俯瞰した映像から静止画まで。映画学校の屋根裏から持ってきた古いLPが時折流れる。繋ぎや黒味や音楽の法則が見出せないものの、それ故に変化の効果は結構劇的。台詞は勿論、音楽やフィールドノイズがいかに大事かってのが良く分かる。

鑑賞日:2024/11/23 監督:ヴィム・ヴェンダース


セイム・プレイヤー・シューツ・アゲイン

銃を携えて走る兵士を延々と捉える短編。染色の色合いによって確かにイメージは異なるも、尖り過ぎてて初期衝動って感じ。嫌いじゃないけど。

鑑賞日:2024/11/23 監督:ヴィム・ヴェンダース


ニル・バイ・マウス

タイトルの如しで何も言えないって感じ。底辺あるあるな具合で、底辺たる所以。当然の事ながら上級でもなんでもクズとカスはいるもんだけど、パブに詰めてるタイプの英国労働者階級テンプレって感じ。大テーマの赦しって云うものが、時間経過で曖昧になった産物みたいな感じで、その辺りも何も言えん。悔い改めながらまたやる夫感全開で終わっても何やら重い気分。振り切った描写の『トレインスポッティング』なんかと同時代の中毒ものな訳だけど、微妙な人間性を混ぜてきた為か何となく散漫、もしくは酩酊な感じで、狙ってたら凄いゲイリー・オールドマンの初監督作。クラプトン劇伴は良く分からん。

鑑賞日:2024/11/22 監督:ゲイリー・オールドマン


若草物語

顔面強い4人の日活青春映画って事で本家のストーリーそっちのけでも結構楽しめる。俗世にあってもピューリタン精神は失わないって云うのとは真逆な感じで、どっちかっていうとウーマンリブな方向に振り切っててやりたい放題ではある。一応4姉妹のおおよその性格は受け継いでおり、それぞれ割と合致している。芦川いずみと浅丘ルリ子全盛期なものの、透明過ぎて見えなくなりそうな吉永小百合が実に美しい。ものの、『刺青一代』とかの頃の和泉雅子が個人的には頭一つ出る感じ。日本の経済成長ノリノリの頃で何もかもが眩しく見える。

鑑賞日:2024/11/19 監督:森永健次郎


王女メディア

何やら雅やかな音楽で正月みたいな雰囲気を醸しつつな具合。のっけのケンタウロス叔父から始まり、ロケーション含めて異様な描写のオンパレードって感じでパゾリーニ観てるって感じ。ギリシャ悲劇でありながら、ちょっと卑弥呼っぽいと云うか、八百万の神が仏教に駆逐され神通力を失う危機、からのって話なんだけど、結果根本的にはかなり人間臭い。トリッキーな予見描写なんかも非常に良い。敢えて歌わないマリア・カラスの殆ど無表情→ラストの鬼の形相だけでもキャスティングが成功してる。

鑑賞日:2024/11/18 監督:ピエル・パオロ・パゾリーニ


THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦

ほぼほぼ劇場版のパトレイバー2のリメイクみたいな構成なんだけど、時間の経過含めてちゃんと続編してる。アニメからCG盛りな実写でいまいちな箇所は多々あれど、20数年前から変化しないどころか腐敗の度を深める国家への憂いから敢えて同じテーマでもう一度やるって云う押井守の心意気は買う。対策本部系に逃げないで、ガッツリとアクションをやる無謀さもあれど頑張った感はある。そしてグレイゴーストの搭乗者の思わせぶりな落ちのとこは、怒っている民衆の中に俺はいるって云うトム・ジョード的なやつみたいで嫌いじゃない。実写化の弊害で夢を壊さない様に配慮された、しのぶさん(cv: 榊原良子)の処理もなかなか。言及されてなかった上海亭が出てくる辺りも良い。パート2の鳥描写みたいな圧倒的で象徴的なシーンがなかったのだけやや残念。そんなかんなでしっかり続編やる気満々っぽい終わり方だけど、ファンと配給が許さないんだろうなってのもなんとなく分かる。も、個人的にはなんだかんだ実写シリーズ楽しかった。

鑑賞日:2024/11/17 監督:押井守


THE NEXT GENERATION パトレイバー 第7章

総集編からの長めな予告って感じのエピソード12。後藤、南雲、柘植の存在を匂わせつつ、正式なパトレイバー2の続編って感じで『不正義の平和と正義の戦争』の元に嵐が来そうな盛り上げっぷり。劇場版が楽しみになる作りではある。

鑑賞日:2024/11/16 監督:押井守


THE NEXT GENERATION パトレイバー 第6章

もの凄い既視感なエピソード10。OVAでも山形に行くってやつでやってたのと、高速で追い込む何かと合わせた感じか。市場から旅館のあたり、アニメから実写への再現度が結構完璧。後藤さん失踪って云う物騒な情報がチラッとはいる。で、とにかくタチコマみたいな形状が好きよね。そして泉.野隊員の同窓会~青春メモリアルなエピソード11。これも何か見たって具合で、遊馬の同窓会のやつがベースな雰囲気。に『ロンググッドバイ』を無理矢理絡めてる感じ。

鑑賞日:2024/11/15 監督:押井守


THE NEXT GENERATION パトレイバー 第5章

カーシャとゴルゴ回なエピソード8。師弟対決で結構見応えがある。で、OPEDにむーちゃん再び。この頃のジェーニャの引っ張りだこ感。そして歴史を繰り返すワニと地下迷宮回なエピソード9。過去の特車二課の面々と同じ轍を踏みまくり、台詞回しなんかも再利用しながらちゃんと時間経過の描写もあって面白い。アニメ版の押井守演出回がワニ回だったかどうか思う出せないけど、押井回の弾けたヘンなノリがきっちり踏襲されてる感じ。

鑑賞日:2024/11/14 監督:押井守


THE NEXT GENERATION パトレイバー 第4章

大怪獣現る後編のエピソード6。鬼特撮とアホみたいな話から小難しい押井守節へのバランス。半分慰安モードなのか特車二課の出番は少なめ。リリーズに鈴木敏夫も現る。OPのぽや〜っとした絵面が押井作品っぽいエピソード7タイムドカンは柴ワンコが美味しいとこ持って行く感じ。爆弾処理する太田莉菜の美人っぷりにちょっとドキドキする。で、吹っ飛ぶ千葉繁。

鑑賞日:2024/11/13 監督:押井守


反逆のパンク・ロック

アナーキーってよりは甘ったれてる具合で、どっちかと言えば大人の方の気持ちが分かる。ものの、何処へも行けず何者にもなれない果ての悲劇を集中して表現した様なラストはなかなか。次作同様に結構デカダンス。と、BTTF2時と共にまだ少年な感じのフリーがカワイイ。

鑑賞日:2024/11/13 監督:ペネロープ・スフィーリス


THE NEXT GENERATION パトレイバー 第3章

特車二課の生命線たるコンビニ(上海亭は出てこない)での狼たちの午後パロディ要素が多いカーシャこと太田莉菜回なエピソード4、ガッ⭐︎ほかピー音連発、小津安二郎も引き合いに熱海温泉でやりたい放題な押井守回なエピソード5大怪獣現る前編で既に結構掴まれてきてる。冨永みーなと古川登志夫の友情出演枠もイイ。顔が悪魔になってますネタも嫌いじゃない。

鑑賞日:2024/11/12 監督:押井守


THE NEXT GENERATION パトレイバー 第2章

とにかく始動まで時間がかかるイングラムであるも、どうやら動くみたいと云う事で少しずつ期待度は高まる。エピソード2のオートバランサーOFFの一幕から、エピソード3の鉄拳アキラで徐々にエンジンかかってきてる。

鑑賞日:2024/11/12 監督:押井守


THE NEXT GENERATION パトレイバー 第1章

これ動くのって云う置物状態な98式AVに学芸会スレスレのノリで不安になりながら鑑賞。エピソード0ののっけより動く千葉繁に感激しつつ、エピソード1でよく探してきたなって感じの名前設定と共に割と似た感じの特車二課メンバー(三代目)とで力の入れ具合は伝わってくる。真野恵里菜を推して行く大人の事情を匂わせつつ、好き勝手やる押井守でなかなか楽しい。

鑑賞日:2024/11/12 監督:押井守


WXIII 機動警察パトレイバー

やっぱ40kHzカバーするアナログレコードはスゲェやって云う昭和75年の東京。パトレイバーの冠を付けたばっかりに評価も散々っぽいけど、刑事ドラマと怪獣ものの合体に加えて押井守的な情景をきっちり踏襲していて良く出来ていると思われる。田中敦子お母さんと成長した廃棄物13号の乳房描写が実にやるせない。完全脇扱いな特車二課の面々の出し方もパート2っぽくて嫌いじゃないし、川井憲次劇伴も哀しげで良く、総じて結構クオリティは高い。

鑑賞日:2024/11/11 監督:遠藤卓司


広州殺人事件

腐敗っぷりが凄い末期の清朝。冤罪、拷問の類いの無茶具合もある意味流石。後の『少林サッカー』の面々が出て来るも、いまいち滑ってるとこが多い印象。チャウ・シンチーが監督で観たかった気もする。ものの、弁舌を鍛え上げ再審に入ってからはなかなかテンポも良くて楽しい。紫禁城から出られなかった筈の溥儀が俗世に出て来るも、ラストも含めて結構扱いヒドイなー。明の皇帝から賜わった宝剣かざして逆賊だってなるとこ好き。

鑑賞日:2024/11/10 監督:バリー・ウォン


シンシナティ・キッド

年季の話って事で面白い具合に出来てる。このところ『じゃりン子チエ』ばっかり観てたので、完全にカブ脳状態で鑑賞。インケツや〜を顔に出さないE・G・ロビンソンとマックィーンのまさに息を飲むポーカーフェイス演技対決で見応えがあった。この商売に女はアカンで〜って云う伏線でエロ可愛いアン=マーグレットに落ち、負け犬状態を慰めるチューズデイ・ウェルドに超複雑な表情を見せるキッドENDで、まだまだザ・マンには遠いって云う挫折。おまけの少年も結構効く。盛り上げ感半端ないラロ・シフリン劇伴もとても良い。

鑑賞日:2024/11/08 監督:ノーマン・ジュイソン


パーフェクトブルー

観直す度に完成度の高さに惚れ惚れする。走るシーンや幻覚キャラの浮遊感、時間=自覚の超越描写がもう出来上がってる感じ。出てきた瞬間に不気味なルミちゃんとか、キモメンの満を持しての声色とかホント上手い。今でこそこれで平沢進劇伴だとより今敏って感じだけど、これはこれで完璧。オタクの市民権がなかった時代は良い。

鑑賞日:2024/11/06 監督:今敏


愛を弾く女

自信の無さ故に省エネ男子化し、上玉中の上玉なエマニュエル・べアールを焦らし振るって云う残念系ダニエル・オートゥイユ。『音楽は夢の世界』と同様にある、恩師夫婦に垣間見る男と女の愛情の理想像で、仕事の世界は器用にこなせても肝心なとこに到達出来ない静かな苦悩が泣ける。『抱いて』と言わせて『愛していない』と返す裏方と表方とのコンプレックスやジレンマを孕む天邪鬼感と云うか不器用さは、据え膳食わぬは男の恥の前にどうしようもなく不憫に思えて仕方ない。他の幾つかの作品同様に、ほぼ何もしてないプラトニックさ(なのに罵倒され、ブン殴られる)の中で激しく燃えてる様を撮るクロード・ソーテで見事。カフェの痴話喧嘩の二段活用とか惚れ惚れする。からの全てを無くした後の雪解け感で素晴らしい。で、ラヴェルのヴァイオリン・ソナタが合う。ちらほらアニエスな衣装も時代を感じて良い。傑作。

鑑賞日:2024/11/04 監督:クロード・ソーテ


ヘンリエッタに降る星

これは良いネコ映画。超有能でお利口なマチルダちゃんとロバート・デュバルの安定感で間が持つ感じ。油田ブッシャーな結末だけ観るとド直球で捻りがあんまりない風なアメリカン・ドリームなんだけど、成功までの道のりがなかなか厳しくてイイ。制作総指揮に名を連ねてるクリント・イーストウッドっぽさも頷けるも、本人が撮ればもうちょい面白くなりそうな気もしなくはない。何はともあれ、積極的に映画に参加してるニャンコを楽しめる一本。

鑑賞日:2024/11/03 監督:ジェームズ・キーチ


プラド美術館 驚異のコレクション

次から次へと凄いのが出てくる。ジェレミー・アイアンズ=スワンな感じで、『失われた時を求めて』の延長な感じで良い。ティツィアーノに始まり、ベラスケス、ゴヤ、ルーベンス、エル・グレコ等々の西洋絵画の超重要作品の数々を紹介するにはやや足早な具合なものの、プラド美術館の成り立ちや修復作業の内側、ひいては密接に関わるスペインの歴史とでなかなか楽しめた。ものの、やっぱり現物を生で見たい欲が高まる。

鑑賞日:2024/11/01 監督:バレリア・パリシ