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Les Valseuses

Films: Sep.2012『バルスーズ』ほか

Oct,04 2012 16:00

ランボーとトリュフォーが目立つ9月。
ややペースが落ちている今日この頃。

観た映画: 2012年9月
映画本数: 23本
鑑賞時間: 2285分

ひまわり [Blu-ray]

ひまわり

久々の鑑賞。名作。タイトルの由来の如く太陽の方を向き続けるひまわりの様にマストロヤンニを追い続けたソフィア•ローレンのセリフ、“愛なしでも生きてこられた”の一言が重く切ない。これを観て心が痛まない訳がない。一面ひまわりのシーンは鳥肌が立つくらいに素晴らしい。

鑑賞日:09月30日 監督:ヴィットリオ・デ・シーカ

聖獣学園 [DVD]

聖獣学園

とんでもない一本。清々しいまでの論理破綻と冒瀆の限りをつくした作品。漫画っぽいと思ったら、本当に漫画が原作だった。かなり滅茶苦茶だが、東映のこのノリは嫌いではない。不浄の液体の刑は酷過ぎ。良作です。

鑑賞日:09月30日 監督:鈴木則文

神経衰弱ぎりぎりの女たち [DVD]

神経衰弱ぎりぎりの女たち

結構昔のアルモドバル作品。何やら狂気を感じさせる程のドタバタコメディで面白かった。テンパる女達とは裏腹にまだワイルドじゃないバンデラスやらマンボタクシーの運ちゃんやら、実にマイペースな男達が印象的。しかしロッシ•デ•パルマは芸術的なブスだな。完全にアルモドバル作品の肝ですね。

鑑賞日:09月30日 監督:ペドロ・アルモドバル

内なる傷痕 [DVD]

内なる傷痕

何やら荒地を彷徨うニコやフルチン男。時折、オルガンに乗せたニコのサイケな感じの歌がダラっと流れる。ただでさえ眠い時に観たのでセリフも歌詞も見事に素通りして、まるっきり頭に入って来なかった。雰囲気は嫌いじゃないのだが、高尚過ぎて良く分からん。覚醒している時に再鑑賞したい。

鑑賞日:09月27日 監督:フィリップ・ガレル

タンポポ [Blu-ray]

タンポポ

久々の鑑賞。先日読んだ“ヨーロッパ退屈日記”にも出てくるネタもありで、伊丹十三監督の食に対するこだわりが良く分かる一本。本筋のラーメンだけでなく、色んな欲を追求するテーマと絡み合って実に見事な作品である。中でも、“ヴェニスに死す”風の役所広司がマーラーの交響曲第5番第4楽章に乗せて繰り広げる変態プレイは必見。傑作。

鑑賞日:09月26日 監督:伊丹十三

あばよダチ公 [DVD]

あばよダチ公

“濡れた荒野を走れ”の素晴らしい出来が嘘だったかの様な澤田幸弘監督による今作。松田優作を始めとするDQN四人組の青春を描いている訳だが、とにかくひどい出来である。が、何故か嫌いになれない妙な魅力がある。ひとえに佐藤蛾次郎の性事家っぷりによるところが大きい気はする。あと加藤小夜子の異常な可愛さも。見方を変えれば楽しい一本。

鑑賞日:09月24日 監督:澤田幸弘

ゼロの焦点 [DVD]

ゼロの焦点

結構ドロドロした松本清張原作の今作。パンパンを連呼している割に全体的に小綺麗に感じてしまうのは、良くも悪くも松竹作品だからであろうか。映画は面白かったけども、原作はもっと面白いのだろうなと云う印象。そのうちリメイクも観てみたい。しかし西村晃はいつだって西村晃なのに関心してしまう。

鑑賞日:09月23日 監督:野村芳太郎

バラキ [Blu-ray]

バラキ

コーサ•ノストラとジョゼフ•ヴァラキの伝記ものって事でなかなか興味深くはある。しかし、どうしても同年代の“ゴッドファーザー”と比べてしまう。エンターテイメントとしては、ナニの切り取り以外はほぼ期待できない今作ではあるものの、それほどつまらなくもない。チャールズ•ブロンソンが巨人の谷に見えて仕方ない一本。

鑑賞日:09月22日 監督:テレンス・ヤング

逃げ去る恋〔フランソワ・トリュフォー監督傑作選4〕 [DVD]

逃げ去る恋

ドワネル5作目にして最終章。最後の方の"北の国から"ばりの多用なフラッシュバックでいかにしてドワネルがオッサンになったか良く分かる。複数の女性にあれこれ面倒見てもらっている典型的な駄目男の筈なのに、それ程憎まれていないのも一つの才能なのだろうか。清々しい程に綺麗にまとめたトリュフォーの手腕はお見事。

鑑賞日:09月19日 監督:フランソワ・トリュフォー

テネイシャスD 運命のピックをさがせ!プレミアム・エディション [DVD]

テネイシャスD 運命のピックをさがせ!

ジャック•ブラックはやっぱりギターを持ってた方が面白い。もはやお家芸のレベル。後半はいささか飽きてくるものの、散りばめられた小ネタには笑わせて頂きました。まだ存命中のディオをはじめ、さりげなく豪華なキャスティング。悪魔の中の人がデイブ•グロールってのは言われなきゃ分からん。良作。

鑑賞日:09月18日 監督:リアム・リンチ

バッド・ルーテナント 刑事とドラッグとキリスト 【デジタルリマスター版】 [DVD]

バッド・ルーテナント 刑事とドラッグとキリスト

ナメて欲しいのかナメて欲しくないのか良く分からんズタボロの悪徳刑事ハーヴェイ•カイテル。初見なのだが、ちょっとこの作品は凄過ぎる。シスターのレイプ事件と主人公LTの信仰心が軸で話は進む。神に守られながら、破滅に突き進むLTと全てを許すシスター。LTとイエスが対峙するシーンで"今までどこにいたんだ?"と悲痛な叫びを上げるLTは鳥肌もの。そして皮肉なラスト。名作。

鑑賞日:09月16日 監督:アベル・フェラーラ

家庭〔フランソワ・トリュフォー監督傑作選3〕 [DVD]

家庭

お前ら付き合っちゃえよ。"勝手にしやがれ"なドワネル4作目。なんと云うか微笑ましい一本である。デカい娼婦を買うドワネルが一番ツボだったのだが、やっぱり母性愛の渇望みたいなトラウマがあるのだろうか。良作。

鑑賞日:09月15日 監督:フランソワ・トリュフォー

ジェラシー [DVD]

ジェラシー

天使の歌声アート•ガーファンクルが主役を張った一本。精神分析の博士とフリーダムなメンヘラちゃんの痴情のもつれがもたらした事件の顛末を刑事ハーヴェイ•カイテルの視点から組み立てていく。お互いに愛があるのに、とにかく噛み合わない2人の行き着く先の悲惨さったらない。組み立てられた断片が埋まるごとにスリリングな展開をみせるニコラス•ローグ監督の上手さ。ケツ丸出しの汚れ役を見事にこなしたアート•ガーファンクル。良作でした。

鑑賞日:09月14日 監督:ニコラス・ローグ

リリィ [DVD]

リリィ

嫌いではない一本。チェーホフの『かもめ』をベースにしているとの事だが、残念ながらそちらは未読。リリィことリュディヴィーヌ・サニエの濡れ場が話題だったらしい今作ではあるが、その辺りは程々。お話はとある別荘地の一夏の出来事。小悪魔サニエに振られる小島よしお似のボンボン監督の話が第一幕。『脳内ニューヨーク』ばりの設定で展開されるサニエとよしおの立場の変化が印象的な第二幕となかなか。時折挿入されるアルヴォ•ペルトも良かった。

鑑賞日:09月13日 監督:クロード・ミレール

非情の罠 [DVD]

非情の罠

久々の鑑賞。初期作品。後の作品ではその人間離れした完璧さ故に、キューブリックはスターチャイルドかなんかなのだろうと思ってしまうのだが、今作を観るとやっぱりキューブリックも人の子と云う感じがしてホッとする。妙な場面転換やら筋の荒っぽさが目立つものの、随所に見られるカメラワークなどは後の作品群を感じさせる。そしてやっぱり今作はマネキンを振り回す格闘が見所でしょう。良作。

鑑賞日:09月12日 監督:スタンリー・キューブリック

襲撃者の夜 [DVD]

襲撃者の夜

鬼畜作家ジャック•ケッチャムの処女作『オフシーズン』の映画化作品かと思ったら、続編の方だった。続編を読んでないので、内容は定かでないのだが、それが関係ないくらいにひどい映画だった。ひどいと云うのは内容云々ではなく映画自体が...。見事にケッチャムワールドを破壊しまくっていて、清々しいほど近年稀に見る駄作であった。しれっと出演しているケッチャム本人の胸中はいかがなものなのかが少々気になる。

鑑賞日:09月10日 監督:アンドリュー・ヴァン・デン・ホーテン

バルスーズ [DVD]

バルスーズ

最高な一本。若い頃のジェラール・ドパルデューと股間を銃で撃たれた男のクズ2人組の自堕落な旅。そんな奴らと旅を共にするある意味、癒しの存在でもある不感症女ミュウ=ミュウが異常に可愛い。途中で登場のジャンヌ•モローは安定のマモーっぷり。そして初々しいイザベル•ユペールと出てくる女性がとにかくDQNの餌食となる訳だが、こいつらが女達にもたらす不思議な幸福感は何故だかやたらと自由ってものを感じる。そして限りなく因果応報が控えてそうなラストも素晴らしい。サントラも良かった。傑作。

鑑賞日:09月09日 監督:ベルトラン・ブリエ

ランボー 最後の戦場 (期間限定価格版) [Blu-ray]

ランボー 最後の戦場

4作目にして結構な力作。ミャンマーの軍事政権に拉致されたキリスト教支援団を奪還すべく、強面の傭兵たちとミャンマー入りするムチムチのランボー。『地獄の黙示録』ばりの河上りに加えて、かなりのグロ戦闘シーンで圧倒された。SAS上がりのハゲのセリフ、「悪魔に神様の仕事をさせている」はなかなかの名言。面白かった。

鑑賞日:09月08日 監督:シルベスター・スタローン

海と毒薬 デラックス版 [DVD]

海と毒薬

可能な限り原作を再現はしているものの、いささか蛇足な部分もあった気がする。解剖のシーンなんかはこれでもかとリアリティを追求していたお陰で当分、肉が食えなそう。肝心の良心の呵責についての勝呂と戸田の会話が妙に軽い感じがしたのは渡辺謙のせいだろうか。要所に納得がいかない箇所はあったが、将校の宴会シーンが最後の晩餐風なショットだったりと良いところもあった。まずまず。

鑑賞日:09月07日 監督:熊井啓

モテキ Blu-ray豪華版(2枚組)

モテキ

ようやく鑑賞。TVシリーズ以上に面白かったです。森山未來のウザさも倍増で飽きずにあっと言う間に2時間が過ぎました。モテ期どころか普通以上にリア充過ぎて羨ましい限り。大人の事情かいささか長澤まさみ中心な感じは否めないが、天使過ぎるから良しとする。"Rabbit In Your Headlights"のPVのパロディは予想通りのオチだったので、ニヤリとしてしまった。良作。

鑑賞日:09月04日 監督:大根仁

ランボー3 怒りのアフガン [Blu-ray]

ランボー3 怒りのアフガン

1、2と来て3作目が一番駄目だなぁ。厄介話を持ってきた挙句に捕虜と化したトラウトマン大佐を奪還すべく、アフガン入りしたランボー。露骨なロシア批判とアフガンの戦士達よーみたいな乗りで突き進む訳だが、その後の歴史はスタローンにとって厳しく、見事な汚点となってしまった今作。まぁ、でもそんなスタローンが好きなのだけど。

鑑賞日:09月02日 監督:ピーター・マクドナルド

自殺サークル [DVD]

自殺サークル

流石に10年前の映画って事で古さを感じてしまうのは否めないのですが、面白い作品だとは思います。園子温監督の人がやらない事をできるってのは確かに凄いですが、この作品に感してはいささか着地に迷いがある感じがしてしまった。それが狙いであるのかどうかは良く分からんけど。なんとなくエヴァンゲリオンを思い出してしまったのは時代のせいであろうか。当時観てたら、あるいは感じ方が違ったかもしれない。

鑑賞日:09月02日 監督:園子温

ランボー 怒りの脱出 [Blu-ray]

ランボー 怒りの脱出

キャラ設定も何も前作とは別物レベルの2作目。ミッションの最初から不運続きで、挙句の果てに見方に裏切られるランボー。おまけにシリーズ唯一のラブシーンも束の間、目の前で撃たれるジュリア•ニクソンと文字通り怒りの連続である訳だが、お話はやっぱり前作の方が良く出来ている。が、ドンパチシーンはそれなりに面白い。割りと策士なランボーだが、どうしても筋肉映画にしか観られないのは悲しいところ。まぁ、なんだかんだで嫌いではない。

鑑賞日:09月01日 監督:ジョージ・P・コスマトス