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勝新太郎

Films: Jul.2013『警視-K』ほか

Aug,03 2013 16:26

"風立ちぬ"が公開したせいか、ジブリものが目立つ。
更には"警視-K"も絶賛鑑賞中の7月。
1日1本観られる時間が欲しい今日この頃。

観た映画: 2013年7月
映画本数: 25本
鑑賞時間: 3099分

風立ちぬ

風立ちぬ

今までの宮崎駿監督作品にはない露骨な重苦しいテーマが蠢く。ただでさえ激動の時代に力を尽くして生きる人間の10年間、そして生きていく人間の姿は鑑賞者が大人なら心を揺さぶられない訳がない。黄金の10年をとっくに超えた筈の老監督の新境地と云うか気迫に圧倒された。紅の豚にも登場する飛行機の墓場のシーンは鳥肌もの。監督の政治的発言はともかく、映画自体は素晴らしい傑作。

鑑賞日:07月29日 監督:宮崎駿

隣の女(フランソワ・トリュフォー監督傑作選7) [DVD]

隣の女

うーむ、面倒臭い。ファニー•アルダンの旦那の方の嘘をつくのが面倒臭いと云うの を全面的に支持する。パーティー会場を凍りつかせたドパルデューのご乱心も過去の描写が薄いせいか、つまるところご乱心にしか見えない。しかし数々の地雷を振りまきながらのラストは流石のトリュフォー。良作。

鑑賞日:07月26日 監督:フランソワ・トリュフォー

豹<ジャガー>は走った [DVD]

豹<ジャガー>は走った

加山雄三と田宮二郎の暑苦しい二人が熱く殺し合う何とも斬新なハードボイルドアクション。終始寝ぼけた風の顔で失態を繰り返す加山と台詞の殆んどがネイティブも真っ青(笑)の英語の田宮。ラストのフリージャズをバックに展開される壮絶な撃ち合いと静寂との緩急はかなり素晴らしい。しかし加賀まりことは何だったのか。可愛いからいーけど。良作。

鑑賞日:07月25日 監督:西村潔

警視-K VOL.6 [VHS]

警視-K VOL.6

6話。課長の息子の疑惑回。台詞を使わずしての細かい演技が特に素晴らしい。言い出せない課長と汲み取る勝新。苦悩している課長と“ここで死んだ”のカットは秀逸。川谷拓三と勝新のボートのシーンもまた良し。谷の女装も結構な破壊力でこれも良い回だった。

鑑賞日:07月24日 監督:根本順善

ザ・ブルード/怒りのメタファー リストア版 [Blu-ray]

ザ・ブルード/怒りのメタファー

うむぅ、これは結構キテるな...。怒りから生まれる子供と云う設定なんてものを考えるクローネンバーグ。小ちゃくてすばしっこい子供達の怖い事。得意のグロ要素もしっかりしている。それと対象的なお洒落なロケーションと内装。“シーバース”然りクローネンバーグ作品は初期が断然面白い。傑作。

鑑賞日:07月24日 監督:デヴィッド・クローネンバーグ

警視-K VOL.5 [VHS]

警視-K VOL.5

原田芳雄と駄洒落回。存在自体が格好良い強烈な2人。そしてそれが自然なのがまた凄い。現実に飲み屋にいそうな人間の演技をする川谷拓三も同様に凄い。つまらない駄洒落を交えつつも、熱いエピソードだった。素晴らしい。

鑑賞日:07月23日 監督:黒木和雄

女は二度生まれる [DVD]

女は二度生まれる

着物にティアラと云うミョーな服装をしていても、女学生に塩をぶっかけても超絶お美しい若尾文子サマ。川島雄三監督の絶妙な演出と文子サマの存在感。中でも本妻との見事な修羅場と最後のフランキー堺の場面、人生がどこかでズレてしまった感じのあの表情は凄い。それにしても尿瓶の下りはどんなボーナスステージですか。うらやまけしからん。傑作。

鑑賞日:07月21日 監督:川島雄三

short6 [DVD]

short6

クローネンバーグのはまずまず。他はどうにも時代を感じる。思いのほか約15年と云う年月は長い事を実感。最後のHip Hopのやつはビースティ思い出しちゃった。

鑑賞日:07月21日 監督:デヴィッド・クローネンバーグほか

猫の恩返し / ギブリーズ episode2 [DVD]

猫の恩返し / ギブリーズ episode2

久々の鑑賞。フンベルト•フォン•ジッキンゲンです。→じゃあバロンね!!...??? と思ったらバロン=男爵って意味なのね。即答する博学JKに脱帽。猫好きにはたまらないらしいです。それよりも何よりも“風立ちぬ”は予告だけでクルな。特にプロコル•ハルムばりのユーミンの曲はヤバイ。

鑑賞日:07月19日 監督:森田宏幸, 百瀬義行

プッシャー・トリロジーBOX [Blu-ray]

プッシャー3

3部作の3作目。前の作品では余裕あるポジションにいたかつての麻薬王が追い込まれる非常に忙しい一日の物語。経験豊かな忍耐強い大人を突ついてくる数々の問題で、苛々が蓄積されて目には殺意がちゃんと湧いている。これを映画で表現しているのは凄いなぁ。そして臓物を排水口に流す荒技がともかくぶったまげる。これは文句なしの傑作。

鑑賞日:07月18日 監督:ニコラス・ウィンディング・レフン

ごろつき犬 [VHS]

ごろつき犬

いきなり東宝映画が始まったかと思う様な派手なオープニングの3作目。カラーになって田宮二郎が更に濃ゆい。大阪に舞い戻ってきた鴨井大介って事で同じ役での天知茂再登場でキッチリ前の作品と繋がっているのだが、同じく再登場の成田三樹夫と江波杏子が別物なので仁義なき戦い現象が発生し一瞬戸惑う。が、シリーズ初カラーで気合いを入れたのかストーリーも田宮のトッポイ男っぷりもレベルアップされている良作。

鑑賞日:07月17日 監督:村野鉄太郎

小さな恋のメロディ [DVD]

小さな恋のメロディ

久々の鑑賞。オジサンですらキュン死にしてしまう多感な時期の甘酸っぱい恋。労働者階級って事を感じさせないくらいの5月の恋と新緑が何と色鮮やかな事か。Bee Geesの楽曲がまた反則レベルで良い。アラン•パーカーが脚本なのも重要。そして何よりメロディ(トレイシー•ハイド)のキュートさと云ったら。うーむ、俺の青春はどこへ行った...。

鑑賞日:07月16日 監督:ワリス・フセイン

警視-K VOL.4 [VHS]

警視-K VOL.4

ジュデイ•オングが出てくるだけで何か化粧品のCMの様なゴージャスな雰囲気になる4話で思わず月賦でスーツを新調する勝新。ジュデイ•オングの見事な二重人格の演技で実に良かった。ルーになる前の大柴もチョイ役で出演。

鑑賞日:07月15日 監督:勝新太郎

濡れた二人 [VHS]

濡れた二人

存在そのものがお美しい若尾文子サマとゆうたろうにしか見えない黒い欣也。似合わないTV局社員を頑張って演じる高橋悦史をドン引きさせる欣也の数々の奇行も文子サマにはジュンと来ちゃった様で。全く理解不能のメロドラマが展開される今作ではあるものの、見所は沢山あった。文子サマに免じて良作。

鑑賞日:07月15日 監督:増村保造

M (エム) CCP-271 [DVD]

M (エム)

これは色んな意味で怖い。先ず連続幼女殺害の犯人の登場までが実に凝っている。犯罪を犯した後の露骨じゃない表現も素晴らしい。M印を押されたペーター•ローレが追い込まれ裁判が始まると一転し、公平に行われない裁判、不安な国家が浮き彫りとなり、集団の怖さを見せつけられる。時代が時代だけに。ペールギュントがしばらく頭から離れなくなる傑作。

鑑賞日:07月15日 監督:フリッツ・ラング

AKIRA [Blu-ray]

AKIRA

久々の鑑賞。もうすぐネオ東京な時代な今観ても全く色あせていないってのはやっぱり凄い事だよなぁ。原作の漫画の方も好きだけれども、アニメも素晴らしい。言うまでもなく傑作。SHORT PEACEが早く観たい。

鑑賞日:07月15日 監督:大友克洋

平成狸合戦ぽんぽこ [Blu-ray]

平成狸合戦ぽんぽこ

久々の鑑賞。人間を一人残らず駆逐してやる...と〜の巨人さながらにあの手この手を尽くす擬人化された狸たち。人間の所業が浮き彫りにされた作品ではあるが、いささか説教臭く感じない事もない。あれ、雫たちはその辺に住んでいるんじゃなかったっけ? ...まぁつまらなくはない。

鑑賞日:07月12日 監督:高畑勲

警視-K VOL.3 [VHS]

警視-K VOL.3

第3話。結婚詐欺で女を殺した犯人が自白するまでを描いただけなのに、妙に色々詰まっている。クロマキー撮影した市道浩高と嘘発見器の心電図の無駄感マックスのサイバーな映像はともかく、祖父役の今福正雄の重みのあるやり取りの末の浮かないラスト、そこからちょっぴり笑いを取り戻す勝新と絶妙な締め。投げ手錠は定番なのね。

鑑賞日:07月10日 監督:勝新太郎

1900年(2枚組) [Blu-ray]

1900年

約5時間半のベルトルッチ渾身の一作。プロレタリアアートとブルジョワジーの対立に加えてファシズムが台頭した20世紀前半のイタリアを描く。とんでもなく長いがそれが気にならないくらいに見せ場は沢山ある。欲を言えばイタリアの役者で固めて貰いたかったが、珍しい極悪演技を熱演するドナルド•サザーランドは鑑賞者をねじ伏せる説得力がある。良作。

鑑賞日:07月09日 監督:ベルナルド・ベルトルッチ

警視-K VOL.2 [VHS]

警視-K VOL.2

斬新な格好の勝新とインチキ英語が飛び交う第2話。血で絵を描く堀内正美のサイコかつサイケな描写はなかなか。川谷拓三もやっぱり良い。アハ〜ン。

鑑賞日:07月08日 監督:勝新太郎

警視-K VOL.1 [VHS]

警視-K VOL.1

初鑑賞。スゴいな勝新。現実より現実っぽいと云うか、そこらにいそうなのに多分いないだろうなと云う演技。インテリ役な石橋蓮司もなかなか良かったが、川谷拓三の怪演が強烈過ぎる。山下達郎もやっぱり良いなぁ。続きが楽しみ。シネマヴェーラで観たかった。

鑑賞日:07月06日 監督:勝新太郎

耳をすませば [Blu-ray]

耳をすませば

まぁお祭りみたいなものなので条件反射的に観ちゃうのです。爆死に次ぐ爆死でトドメのご来光で悶絶。年々この悶絶度が酷くなって、思わずバルス!!!と叫びたくなる。薄汚れた大人になったもんだとつくづく感じてしまう。ジブリの中でも抜群の破壊力を持つ一本。

鑑賞日:07月05日 監督:近藤喜文

喧嘩犬 [VHS]

喧嘩犬

軽快と云うか軽い田宮二郎の犬シリーズ2作目。爽やかさを超越した笑顔は健在。やっぱり好きじゃないのだけど、パンパーンと気持ちの良いリズミカルな演技は流石としか言い様がない。敵役の成田三樹夫も相変わらずの前髪パッツンでグッド。しつこいズームは頂けないが良作。

鑑賞日:07月04日 監督:村山三男

東京流れ者 [DVD]

東京流れ者

久々の鑑賞。スターを撮るのでも清順にかかると文字通り異色になる。歌謡映画は鮮やかにと云う清順ロジックでセットはまだしも変な色のスーツを着せられてつんつるてんな渡哲也には同情を禁じ得ない。それにしても凄まじいアングルの連続や雪景色にパッと映える赤提灯のセンス、そしてCMも抜かりない上に勿論の屋台崩しもありでやっぱり傑作。更に他の作品同様に川地民生の使い方が絶妙。

鑑賞日:07月03日 監督:鈴木清順

プッシャー・トリロジーBOX [Blu-ray]

プッシャー2

2作目。クズどもにクズ扱いされる果てしなくクズの一応一児の父になった男。クズなりに頑張るものの、事態は悪くなるばかり。更生の糸口をほんのり模索するクズは自ら手を汚す事と引き換えにちょっとクズから脱する。前作より更に洗練された人間臭さの表現で笑いと共に唸ってしまった。素晴らしい。傑作。

鑑賞日:07月01日 監督:ニコラス・ウィンディング・レフン