Films: Oct.2013『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語』ほか
Nov,01 2013 15:30
なんだかバタバタしていた10月。
しかし"劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語"はしっかり初日に鑑賞。
初日特典の色紙はアルティメットまどか。コンプリートする程のガッツはない。
鉄砲が出てくる系を最近良く観ている気がする。
そして10月27日に亡くなったルー·リードに合掌。
観た映画: 2013年10月
映画本数: 20本
鑑賞時間: 2042分
冬の光
神の沈黙に心折れる話と言えば、やっぱりカラマーゾフの兄弟を思い出してしまう訳ではありますが、この作品も苦悩に満ち溢れている。神への憤りが題材だとは思うのだけれども、牧師が核心に辿り着いた時の光は余りにも優しく、人間の心変わりさえも許していると云う様な表現にさえ見える。ベルイマンに詳しくないのでどうかは分からないけれども。悩める仔羊は見た方が良い気がする。良作。
鑑賞日:10月28日 監督:イングマール・ベルイマン
バッド・ルーテナント
ベルナー•ヘルツォーク+ニコラス•ケイジのリメイク版の方の鑑賞。アベル•フェラーラ版と甲乙付けがたい。オリジナルが改心の後のラストに対して、リメイクは表面の成功とは裏腹にズタボロと云うラスト。イグアナの下りも実に良かった。良作。オー、イェー
鑑賞日:10月27日 監督:ヴェルナー・ヘルツォーク
ラブレター
面白い。ただでさえ名作な上に関根恵子祭りで永久保存版の一本。果てしなく貧乏臭くて哀愁漂いまくりで、救いもクソもないけれども全て良し。何処までも意地悪な加賀まりこが中村嘉葎雄の死を知らせるシーンはやっぱり意地悪なんだろうな。R-15版でないやつを鑑賞したい。
鑑賞日:10月23日 監督:東陽一
友よ、静かに瞑れ
藤竜也が見たかったので鑑賞。地上げ屋と余命幾ばくもない林隆三とその息子と藤竜也でハードボイルドと云う設定だが、いささかクサ過ぎる気もしなくはない。原田芳雄と佐藤慶もあまり活かされておらず消化不良ではある。それにしても藤竜也はやっぱりホモ臭い役とかが観ていて面白い。錆びた感じの沖縄ロケーションは良かった。まずまず。
鑑賞日:10月22日 監督:崔洋一
シシリアン
夕飯がパスタだったので鑑賞。マイケル•チミノ版。ディア•ハンターとかかなり好きなのだが、今作に関しては2時間経っても引き込まれず。テレンス•スタンプのやたら色気のある演技は良かった。
鑑賞日:10月20日 監督:マイケル・チミノ
黒いオルフェ
寒いので少しでも暑苦しい気分になりたくて鑑賞。ギリシャ神話をブラジルに置き換えた作品な訳だが、話の筋以前に終始鳴り止まないあまりに多様なサンバのリズムに圧倒される。高いテンションも映像を通して端から観る分には実に楽しい。アントニオ•カルロス•ジョビン様々な気もしなくはないが、良作。
鑑賞日:10月20日 監督:マルセル・カミュ
ダイナマイトどんどん
久々の鑑賞。広能と桃サンの両方の菅原文太を堪能できる。まぁしかし、呂律の回らない嵐寛寿郎に全て持ってかれている感はあるが、完全に山守の金子信雄や岸田森など脇を固める役者もしっかりツボを押さえていらっしゃる。反戦のテーマが土台にしっかりとあるのに、それを感じさせずにエンターテイメントに仕上げる岡本喜八。やっぱり凄い。ちょっと長いけど傑作。
鑑賞日:10月16日 監督:岡本喜八
狼よさらば
良くも悪くもアメリカ。妻を殺された事から復讐を誓うチャールズ•ブロンソン。アメリカお得意の自衛の建前の元のフロンティア•スピリットが誤爆。全く関係ない辻強盗を殺しまくるが、タクシードライバーみたいで嫌いではない。色々とツッコミ所はあるものの、この時代のNYを描く映画は好きではある。ハービー•ハンコックの音楽もグルービィで大変良い。後の蝿男、ジェフ•ゴールドブラムもチョイ役で出演。良作。
鑑賞日:10月14日 監督:マイケル・ウィナー
レバノン
頭を垂れた一面の向日葵のオープニングから一転して映し出されるのは戦車内部の映像とスコープからのみの外の風景。レバノン戦争第一日目の新米兵士達が凄惨な戦争の洗礼をひたすらを受ける。何の為の戦争なのかも分からず、棺桶の様な鉄の塊の中で訳も分からず命令を受け疲弊して行く兵士達。鑑賞者が息苦しくなる程の異常な閉塞感は効果絶大。末端にとっての戦争を描く良作。
鑑賞日:10月14日 監督:サミュエル・マオス
不良少女モニカ
イケアの国の若い男女はひと夏の眩いばかりの青春を経て、妊娠と生活の現実に対面する。不良と云うより駄々っ子に近い存在のモニカとロジカルなハリーの深まる溝は若く苦々しい。奔放なモニカは魅力的ではあるものの、NTRはイカン。自立して大人になる事の難しさと若者、自然と都会、夏と冬とそれぞれの対比が素晴らしい。特にモノクロなのにドキっとするくらいの夏の鮮やかさ。ハリーが思いを馳せるのも無理はない。良作。
鑑賞日:10月13日 監督:イングマール・ベルイマン
続 夕陽のガンマン
セルジオ•レオーネがどれだけ別格か良く分かる一本。脚本、演出、カメラワークのどれもが一分の隙もない。そして個性豊かな三つ巴の絡み合い。シビれる台詞のオンパレード。二度見レヴェルの床が抜けるシーンや汽車で死体を引きずるシーン、更には南北戦争真っ只中のド迫力。そして絶対に欠かせないのがモリコーネの音楽。息をのむ様な静寂までも取り込んでいる。これがどれだけ凄い事か分かる年齢になった。それにしても何回ア゛ァア゛ァア〜が流れるか分からんが、全く飽きない不思議。文句なしの傑作。
鑑賞日:10月13日 監督:セルジオ・レオーネ
野獣暁に死す
仲代達矢のイタリアデビュー作との事。狡猾なラスボス達矢を仕留めるべく、5人のガンマンを従えて濡れ衣の復讐をするって話な訳だが、どうもメリハリがない。トニーノ•チェルビィ監督作品の"火の森"もモヤーっとした感じだったが面白かったのに比べるとやや劣る。最後の奇襲と刀を鉈に持ち替えた迫真の演技で正に孤軍奮闘の仲代達矢は価値ある一本。まずまず。
鑑賞日:10月11日 監督:トニーノ・チェルヴィ
縄張はもらった
最初から最後まで実にホモ臭い映画だった。役所陣が豪華過ぎるせいか、各見せ場がやや強引で全体的になんだかモヤモヤする。クライマックスの無駄なリピート&スローの合わせ技と藤竜也が拷問中に必要以上に悶絶する川地民夫が面白かった。小林旭より宍戸錠の方が好きだと再確認した作品だった。
鑑賞日:10月08日 監督:長谷部安春
狂った野獣
オープニングこそほのぼのした雰囲気に包まれているが、やがてラリー•ピアース監督作品”ある戦慄”('69)みたいな状況になる。異なるのは川谷拓三と片桐竜次のバスジャック二人組があまりに余裕がなく、渡瀬恒彦に主導権を握られてしまう。それも驚く程スムーズに。チンドン屋にバナナ食うジジイ、不倫カップルとかなりバラエティ豊かな車内の阿鼻叫喚と極めつけは心筋梗塞で瀕死の運転手とフラグの用意も半端ない。車外では意外とおいしい室田日出男であった。傑作。
鑑賞日:10月05日 監督:中島貞夫
LOOPER/ルーパー
タイムパラドックスが云々は置いといて、結構楽しめた。ターミネーターみないな話(母親の名前がサラ!)かと思いきや、TKなる能力を持つニュータイプまで出てくるてんこ盛り具合がかき揚げ丼を食べている気分になる。しかしブルース•ウィルスに鉄砲持たせると、途端にダイ•ハード化するのは面白い。主役のジョセフ君は500日のサマーみたいなナヨった役の方が良いかと。佳作。
鑑賞日:10月04日 監督:ライアン・ジョンソン
スミス都へ行く
民主主義の理想なんてものを熱く語る無垢なジェームズ•スチュワート。ドロドロの大人の世界に真っ向から挑むその姿はシニカルな態度の人間より余程気持ちが良い。時として変革には青さと云うか馬鹿になれる人間が力を発揮するのだろう。ご都合主義的な箇所が満載の今作ではあるものの、映画だもの仕方ない。真実の力強さがあるからこそ素晴らしき哉、人生!。傑作。
鑑賞日:10月03日 監督:フランク・キャプラ
Virgin Witch
見るからにビッチだけれども魔女(ウィッチ)の素質ありまくりの処女(姉)。初期ピンク•フロイドみたいなサイケな曲に乗せて郊外のお屋敷で催される怪しげな儀式にて覚醒。カット割りがテンポ良いのに何故か眠くなるのは魔女の仕業か、ただ単に眠かっただけか。美人姉妹が悪魔崇拝の餌食になった様でいて、異常な潜在能力を持ち合わせた娘に引き寄せられた様にも見える。エロ目的でも鑑賞可能な不思議な一本。
鑑賞日:10月02日 監督:レイ・オースティン
讃歌
久々の鑑賞。新藤兼人監督の描く春琴抄。1970年代の新藤作品にチョイチョイ登場する渡辺督子さんでありますが、この作品の美しさは際立っており、百恵ちゃんでも敵わない。生活感ありまくりの実に生々しい主従関係の描写。ひたすらSとMな訳ですが、劇中の白塗り乙羽信子いわく、これぞ誠の愛。恭しくブツを運んだり、全裸で槍投げしたり、顔面の動きだけで指令を出したりと見所が多い。傑作。
鑑賞日:10月01日 監督:新藤兼人
category: 映画レビュー
tags: 2013年映画レビュー, ルー・リード