Films: Jun.2014『トップをねらえ! 』ほか
Jul,01 2014 17:00
トマス・ヴィンターベア、ポール・シュレットアウネ等々の北欧系に深作作品と傑作揃いの6月。
そんな中でも庵野秀明はやっぱり偉大だった。
観た映画: 2014年6月
映画本数: 17本
鑑賞時間: 1795分
アフターライフ
ひよこの生き埋めと結局サイコなスリラー。しかし、まぁ悔い改めようって気にはなる。映画同様にExit Musicのチョイスも安易感は否めない。まずまず。
鑑賞日:06月30日 監督:アグニェシュカ・ヴォイトヴィッチ=ヴォスルー
光のほうへ
不幸まみれの人生から浮上できない兄弟。デンマーク的な背景と共に重い上にとことん暗い描写の連続がかえって一縷の望みを余計に際立たせる。見事なトマス•ヴィンターベアの手腕。良作。
鑑賞日:06月29日 監督:トマス・ヴィンターベア
トップをねらえ! 劇場版
光速の如くの展開はいかにも編集版ってな感じではあるが、物語自体は岡本喜八的なエッセンス、そしてエヴァへの予感に満ち満ちた、とんでもない作品。観てなかったのが、悔やまれるレベル。素晴らしい、大傑作。
鑑賞日:06月27日 監督:庵野秀明
ノー・マンズ・ランド
紛争の中間地点(ノー•マンズ•ランド)で繰り広げられる冗談みたいな争い。そこに現れる国連防護軍、「傍観は加勢と同じ」と正義感溢れる軍曹が居たかと思えば、糞死寸前の男を置き去りにする上層部と真っ黒を突き抜けたユーモア。己が正義から発する戦争と云う事態を考えさせられる作品。傑作。
鑑賞日:06月26日 監督:ダニス・ダノヴィッチ
蝿の王
割と原作を忠実に再現している気はするのだが、いささか物足りない感は否めない。踏みにじられるモラルは良く描かれているものの、序盤のあやふやな規律や蛮族化する少年達の過程が弱い。ジャックの豚殺しの下りの心境の変化など色々と細かく3時間くらい使って撮ったら、もっと原作に見合う重厚な作品になっていたかもしれない。まずまず。
鑑賞日:06月24日 監督:ハリー・フック
隣人/ネクストドア
常に困惑顔の主人公。オチを知ってしまえば、ナイスキャスティングとも言える。現実逃避の隣室から何度も締め出しをくらい現実に引き戻されるも、結局現実を受け入れられない悲しき男。終わってみれば、迷路みたいな間取りも納得できる。胸中に汚部屋を抱えた人間はあんたの隣にもいるって事でしょうか。良作。
鑑賞日:06月18日 監督:ポール・シュレットアウネ
ポーキーズ 最後の反撃
一作ごとに確実につまらなくなっている、むしろ清々しい程に。ポーキーもちゃんと出ているけども、色々物足りない。笑いも差別問題も影を潜め、何やらフワフワした仕上がりになっていた。修道士の下りは面白かった。
鑑賞日:06月17日 監督:ジェームズ・コーマック
ポーキーズ2
しっかりと続編になっているのに、前作とは比べもんにならないくらいにつまらん。反差別がくど過ぎる。そしてポーキーは出てこない。面白いシーンもチラホラあったけども残念。
鑑賞日:06月16日 監督:ボブ・クラーク
セレステ&ジェシー
まぁ自業自得みたいなもんかと。相手を試すみたいな事はしちやイカンのですよ。Apple製品とホビットに意識を持ってかれる。まずまず。
鑑賞日:06月12日 監督:リー・トランド・クリーガー
県警対組織暴力
仁義なきキャストでつまらん訳がない。一本分の尺なので濃密でもある。銃を撃ちたくて警察になった菅原文太が銃を撃たなきゃいけない場面の悲愴感。川谷拓三の世にも酷い下りの後にこれだから、上手いとしか言いようがない。そして孤立の末の雨の中の最後。切な過ぎ。問答無用の傑作って事と梅宮にインテリの役は似合わないって事はハッキリしている作品。
鑑賞日:06月11日 監督:深作欣二
グランド・ブダペスト・ホテル
キッチリとブレずにウェス•アンダーソン作品だった。そこかしこに常連も登場するのがまた安心する。前作までとは異なり、どすーんとした暗さとスピーディなアクションが薬味になっていた気もする。毎度の事ながらシンメトリーな構図としっかりした色設定。良作。
鑑賞日:06月09日 監督:ウェス・アンダーソン
ラスト、コーション
ブロークバック•マウンテンに続く禁断の愛的なお話が日本軍占領下の上海で繰り広げられる。ドS且つアクロバティックな体位と熱い演技を披露したトニー•レオン。微妙な表情で苦痛を表現するタン•ウェイと両者共に良かった。激しいせめぎ合いを象徴するベッドが空になるラストは抗日の国民党と親日家の駆け引きも虚しく後の中共によって全てが無に帰ったみたいな感じで実に哀愁漂う。魅力的な頃の中国が絶妙な構成と共に描かれている。傑作。
鑑賞日:06月06日 監督:アン・リー
チャイルドコール/呼声
上手い具合に妄想系してたと思われる。5Fさんの折檻を亡き我が子と混同し必死に守ろうとする精神錯乱の母ちゃんと、年老いた母ちゃんの延命処置に悩む電気屋と云う設定。母と息子の互いを守る狂おしいまでの愛情があるかと思えば、日常茶飯事で虐待も起きていたりする不条理感。現代社会はどーなってんだって云うポール・シュレットアウネ監督の苦悩が伺える。北欧的な雰囲気も含め傑作。
鑑賞日:06月03日 監督:ポール・シュレットアウネ
博徒外人部隊
タイトルからして意味が分からないのは置いといて、返還前のOKINAWAの如くカオスな勢力図の下に物語は進む。沖縄の人々にしてみたらハッキリ言って迷惑でしかない鶴田浩二一味であるが、強い敵に向かって玉砕していく様は深作作品らしく面白い。どうもスカして軽〜い感じの鶴田浩二といるだけで妙な威圧感を醸し出す安藤昇でとりあえずバランスは取れている気がする。そして迫力ある若山富三郎の眉毛。良作。
鑑賞日:06月01日 監督:深作欣二
category: 映画レビュー
tags: 2014年映画レビュー