Films: Jun.2013『殺しの烙印』ほか
Jul,03 2013 12:00
相変わらず節操ない感じに映画を観続けている。
可愛い女の子が出てくる映画とオッサンが共存している印象の6月。
観た映画: 2013年6月
映画本数: 25本
鑑賞時間: 2669分
プッシャー
無理してやった取引をものの見事にチョンボする麻薬のディーラー。借金を返済すべく、あの手この手を使うもドツボにハマりまくると云う作品。既にニコラス•ウィンディング•レフンのやたらダイナミックな描写が完成されている感じだが、“ブロンソン”、“ドライヴ”等を先に観てなければもっと衝撃的だったに違いない。とりあえず2作目も期待。
鑑賞日:06月30日 監督:ニコラス・ウィンディング=レフン
日本の仁義
東映オールスター+αの実録ものの大作。“仁義なき戦い”の様にテロップがないので、いささか分かりにくいので相関図が欲しいところだが、組織の上から下までが実に上手く描かれている。様々な声色を使い分ける菅原文太を始め、ひたすらおいしいフランキー堺、そして川谷拓三の迫真の呻き等々、見所は多い。鶴田浩二はいいとこ取り感は異常。良作。
鑑賞日:06月29日 監督:中島貞夫
バニラ・スカイ
CSで放送していたのでついつい再鑑賞。リメイクの今作の方も別に嫌いではない。こっちにはこっちの派手さと云うか良さがある。一晩で4回野郎のトム•クルーズも悪くない。音楽がやや詰め込み過ぎな気もしなくはないが、当時聴いていた曲ばかり流れるので嫌いにはなれん。たまにはそんな映画があっても良いじゃない。良作。
鑑賞日:06月29日 監督:キャメロン・クロウ
殺しの烙印
久々の鑑賞。真面目なのかふざけてるのかシナリオ集団•具流八郎の凝りに凝った味付けにより、観た事ある限りでは日本映画史上、最もスタイリッシュな一本である。これの後に日活を干されてしまう清順となんとも皮肉な話である。今作においては山程、シビれる演出がある訳だが、大和屋竺の死に様を超えるものには未だに出会っていない。傑作。
鑑賞日:06月28日 監督:鈴木清順
エリート・スクワッド
まースラム。今作と“シティ•オブ•ゴッド”は突き抜けて物騒だな。“フルメタル•ジャケット”の微笑みデブなら即死レベルの超絶スパルタ訓練。こうでもしないと殺られてしまうのが現状って事なのは良く分かった。いやーしかし熱いなぁ、ブラジル映画。良作。
鑑賞日:06月26日 監督:ジョゼ・パジーリャ
ミスター・グッドバーを探して
久々の鑑賞。リチャード•ブルックス監督作品。妄想たくましい聖女の如き手話教師ダイアン•キートン。ハンデと抑圧された生活の反動から処女喪失。と同時に昼と夜の顔を持つ超絶ビッチへと変貌する。知らず知らず落ちて行く中で眠らない山猫•トム•ベレンジャーとのショッキングなラスト。魔が悪いと云うかなるべくしてなったと云うか。とりあえずDVD化して下さい。フリーソウルばりのサントラも良い。良作。
鑑賞日:06月25日 監督:リチャード・ブルックス
攻殻機動隊ARISE (GHOST IN THE SHELL ARISE) 1
ふんどしじゃない素子に声優陣も入れ替え音楽も菅野よう子でもない、更に監督は押井、神山でもない前日譚の攻殻であるが、どうにも新しい感じはせず。Production I.Gの限界なのだろうか。とは云うものの、雨から始まる荒巻と素子の初接触、公安9課の成り立ちを鑑賞する点ではなかなか面白かった。コーネリアスとsalyu x salyuが奮闘。次に期待。
鑑賞日:06月24日 監督:黄瀬和哉
スプリング・ブレイカーズ
ケツやら何やらてんこ盛りのハーモニー•コリンの新作。ハジけたいお年頃のビッチ達と能天気連中。気候が良すぎるのもどんなもんか。ジェームズ•フランコが出てきた瞬間、誰もが逃ーげーてーと思った事だろうが、時既に遅し。と思ったら適性がある様で。自分はバスで真っ先に帰るタイプです。なんとなく90年代に“KIDS”とか観た時の事を思い出してしまった。
鑑賞日:06月23日 監督:ハーモニー・コリン
華麗な関係
無軌道な若者が愛に目覚めてまともになるって筋なのだが、いまいち弱い。完全なるメロドラマでいささかかったるい感じだったが、女が死ぬ瞬間と唐突に幕が降りるラストはなかなか良かった。
鑑賞日:06月21日 監督:ロジェ・ヴァディム
野獣の青春
"映画は日活"とデカデカと宣伝しても許される。序盤のモノクロからカラー、細部まで徹底されたニクい演出、ありえないセットと何から何まで完璧。極めつけは小林昭二と川地民生の変態ブラザーズとあまりにあんまりなラストの宍戸錠の誘導尋問。更には何度観ても面白いDVD特典ってのもそうそうない気がする。傑作。
鑑賞日:06月20日 監督:鈴木清順
宿無し犬
うーむ。モノクロでもキラッキラッ光る田宮二郎の嫌味を突き抜けた笑顔。更には何処までも陰気な天知茂と個人的にあまり好きではない二大俳優ではあるが、成田三樹夫の見事な撃たれっぷりで帳消し。後半にいささかダレる気もしなくはないが、なかなか面白かった。
鑑賞日:06月20日 監督:田中徳三
獲物の分け前
俺の継母がこんなに可愛い訳がない的な状況で入れ込む歳の近い息子と継母とそうは問屋が卸さない父親。女が翻弄する話は良くある気もするが、男の非情に泣かされるパターンの一本。漂うサイケ臭と無理矢理なオリエンタル風ではあるが、嫌いではない。良作。
鑑賞日:06月18日 監督:ロジェ・ヴァディム
酔いどれ波止場
"ひのもと"と"ハクライ"のネーミングが具現化したヤクザと中身が焼酎の男•勝新。前の2本に比べて漫画風の乱闘シーンが影を潜めたが、今作では勝新の美声!!! を楽しむ事ができる。序盤の寺で印象的なお洒落な撮影と遊び心満載の新藤兼人脚本でそれなりに面白い。そしてまたしても静かに去っていくギョロ松。良作。
鑑賞日:06月18日 監督:井上昭
黙秘
久々の鑑賞。キャシー•ベイツとジェニファー•ジェイソン•リーの2大おっかない女優が薄幸で痛々しい女を好演。スティーブン•キング原作でどよーんとした感じは何とも1990年代っぽい。良く出来ていると思います。当時を思い出す一本。良作。
鑑賞日:06月17日 監督:テイラー・ハックフォード
やさしい嘘
絵に描いた様な可愛らしい婆ちゃんの一挙一動が何とも和む。ついて良い嘘ってものも世の中にはあるのですね。アルヴォ•ペルトの音楽も染みてくる。良作。
鑑賞日:06月14日 監督:ジュリー・ベルトゥチェリ
デボラの甘い肉体
冒頭からイチャイチャする新婚さんと事ある度に流れる何ともお洒落なノラ•オルランディのラウンジミュージックで過剰に穏やかな空気を演出するも、最後はなかなかのドンデン返し。ミッドセンチュリーとクラシカルなセットの組み合わせも良い。が、頻発するあの変なズームはいただけない。
鑑賞日:06月14日 監督:ロモロ・グェッリエリ
狂ったバカンス
超絶可愛いカトリーヌ•スパークがカラーで観られないのは誠に残念ではあるが、内容的には同年の“太陽の下の18才”より面白い。自分の娘くらいの歳の娘からの要望で下心から髭を剃り落とし、ドヤ顔した瞬間に玉砕するオッサン。エンドレス•サマーが幻想だったと知った時の切なさは老いも若きも変わらないのだ。良作。
鑑賞日:06月11日 監督:ルチアーノ・サルチェ
マンデラの名もなき看守
ネルソン•マンデラが投獄された27年間を2時間にまとめるのは少々無理がある気もしなくはない。しかし、看守側からの視点と云う事で、良くも悪くも周りにいる人間への英雄の影響力を垣間見る事ができた。心動かされつつも、体制側の人間である現実。世の中にはこんな話が山程あるのでしょうね。良作。
鑑賞日:06月10日 監督:ビレ・アウグスト
未来警察
ヤバイくらいにB級。近未来設定かと思われるが、1980年代感が半端ない。剥き出しの基盤って云う未来イメージ...。高所恐怖症ってしつこい伏線がまた笑える。ポリスアカデミーやグーニーズで見かけたお顔もチラホラ。ツッコミ所が多くショボいものの、何故か嫌いではない。
鑑賞日:06月09日 監督:マイケル・クライトン
怒りの荒野
初鑑賞。うーん、マカロニ。最後に十箇条を忠実に守る弟子ジュリアーノ•ジェンマの表情が非常に良かった。キレ者とは思えない師匠リー•ヴァン•クリーフ御殿は圧倒的なダサさで笑えるが、それ以外はしっかりと作り込まれていて面白かった。サントラが異常に格好良し。
鑑賞日:06月09日 監督:トニーノ・ヴァレリー
実録・私設銀座警察
のっけから凄まじい。戦後のドヤドヤした銀座の実に血生臭い内部抗争。スタイリッシュヤクザの安藤昇はともかくとして、ヒロポン中毒で不死身の渡瀬恒彦が衝撃的過ぎる。圧巻の吐血シーンは一見の価値あり。それにしても梅宮...。うーむ、兵どもが夢の跡。良作。
鑑賞日:06月06日 監督:佐藤純弥
座頭市と用心棒
何度観ても素晴らしい。とんでも合体でオイオイってなりがちな題材ですが、そこは岡本喜八監督、抜かりはありません。勝新、三船のずる賢いのに情熱を秘めた描写や、盲なのに凄えって云う座頭市像を上手い事引き出している。岸田森も良い味出してます。そして若尾文子はいつ観てもお美しい。更には伊福部昭で満足感この上ない。
鑑賞日:06月05日 監督:岡本喜八
愛の亡霊
"悪魔のようなあいつ"のお陰か出てくるだけで男色っぽい雰囲気を醸し出す藤竜也ではあるが、“愛のコリーダ”同様に今作も見事な情夫っぷりである。吉行和子に剃毛を命じる外道っぷりはともかくとして、大島渚は何かとこの人を痛い目に合わせるのがお好きな様で。妙な怪談だが、結構な良作。
鑑賞日:06月03日 監督:大島渚
category: 映画レビュー
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