Films: Aug.2014『バベットの晩餐会』ほか
Sep,02 2014 16:00
先月に引き続きハル•ハートリーの再発ものがチラホラ。
全部観るか分からんけども、新仁義なき戦い、007シリーズも一応スタート。
そして'70年代イタリアのエロッティックものが最近は熱い。
消えたシモン・ヴェルネール、バベットの晩餐会は出会えて良かった作品。
そんなかんなの8月。
観た映画: 2014年8月
映画本数: 27本
鑑賞時間: 2849分
シャドー
なんだコレは...。合ってるんだか合ってないんだか良く分からんテクノポップに乗せて、かなりしょうもないコントばりの殺人が繰り返される。そして意味不明のカメラワーク。でも犬シーンは実に怖かった。ストーリーもまずまず。色んな意味で面白くはある一本。
鑑賞日:08月31日 監督:ダリオ・アルジェント
新 仁義なき戦い
前シリーズのパラレルワールド的な一本。広能は出てこないが、金子信雄を筆頭に外道の数ではなかなか良い勝負。疑似カタワな冒頭と富三郎没のシーンは構成として結構好き。川谷拓三の目潰しシーンも笑劇的だった。今作は死相漂う松方+渡瀬が結構効いていたと思う。これはこれで面白かった、良作。
鑑賞日:08月30日 監督:深作欣二
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 EVANGELION:2.22 YOU CAN (NOT) ADVANCE.
うむぅ、デストラクション。綾波の手料理の下りはやっぱりポカポカするなぁ。傑作。
鑑賞日:08月29日 監督:庵野秀明
裸のチェロ
まぁーとにかくポレンタと超絶可愛いカミさんの裸体ばかりで構成されている。喜劇っぽい内容から段々と狂気がエスカレートしてあんまり笑えないのに面白い。これは傑作。
鑑賞日:08月28日 監督:パスクァーレ・フェスタ・カンパニーレ
Wの悲劇
良いなぁ、角川映画。隅から隅まで昼ドラみたいな内容なのに、なんでかジーンとするのは久石譲の音楽によるところが大きい気もしなくはない。女優ならばと言葉巧みに罪をおっかぶせつつもエラそーな三田佳子やどこまでもかませ犬な世良公則がなんと云うか酷い。そしてモーゼの如く人々を割るうら若き高木美保の凸撃シーンと見所多数。全然タイプじゃないのに可愛いと思わせる薬師丸はやっぱりスターなんだな。良作www
鑑賞日:08月27日 監督:澤井信一郎
戦慄の絆
グログロ。神がかっている頃のクローネンバーグ作品。なんとまぁ痛々しい退廃的なシンクロ率。双子のジャンキーを描くと云うとことん悪趣味なクローネンバーグ様々な事は勿論だが、一卵性双生児役をキチンと演じるジェレミー•アイアンズも素晴らしい。開始10分くらいは無理があるけども、これは傑作。
鑑賞日:08月26日 監督:デヴィッド・クローネンバーグ
善き人
厳しい見方をすると、意に反して全く善き人になれないヴィゴ•モーテンセンが演ずる教授。ただし、劇中のナチもユダヤ人も個人としては己が身を守る為に生きているだけなんだよなぁ。それぞれに弱さを持ち合わせている訳で、そんなか弱い人々は強大な集団的力に流されていく。そんな中で後悔すると云う行為は人間らしさを失わない為にも必要な事なのかもしれん。まずまず。
鑑賞日:08月25日 監督:ヴィセンテ・アモリン
ゴールドフィンガー
久々の鑑賞。三作目にしてかなり色んなところが確立されている。話自体は突破な感じがするものの、演出に関しては大分スケールアップして派手になっている。結果的にプッシーさんのお陰であまり意味のなかったボンド氏。金粉姉と妹の無駄死に感はともかくとして、やはり面白い。良作。
鑑賞日:08月24日 監督:ガイ・ハミルトン
ロシアより愛をこめて
久々の鑑賞。今で云うところのプロジェクションマッピング的なオシャレなオープニングから始まり、ラストのイケてる予告までしっかりエンターテイメントしている。昨今のスパイツールの派手さに比べるとあまりに貧相なスーツケースはともかくとしても、緻密な構成で飽きない。やはりショーン•コネリーは揺るぎない。良作。
鑑賞日:08月21日 監督:テレンス・ヤング
消えたシモン・ヴェルネール
ガス•ヴァン•サントってよりは桐島だなぁ。制作年は今作が先な上にタイトルばれの大事件だけど。全体的にポートランドっぽい感じではありつつだが、やっぱりフランスでソニック•ユースがいささか違和感がある...が、良いものは良い。これはやったもん勝ちのアイデア作品。時代背景、サントラ含めてかなり好きではある。良作。
鑑賞日:08月20日 監督:ファブリス・ゴベール
モナリザ
要するに寅さんだねぇ。不器用かつ不遇なヒーローと褐色の女の組み合わせは後のクライング•ゲームを思わせる。更にはプルートで朝食を等にも活かされている風俗ロケーションと、ニール•ジョーダンの遍歴を伺う事ができる。ナット•キング•コールは良いとして、80年代ジェネシスはなんだか合わないなぁ。でも良作。
鑑賞日:08月17日 監督:ニール・ジョーダン
フィルス
クズだなぁ。故に悲しい。軽快なテンポとドラッギーな演出でかなり楽しめたけれども、実に実に悲しい。反則技に近い気もするが、ラストのクリープでまんまとグッときてしまう。特別になりたいクズに共感せずにはいられない。良い作品だった。
鑑賞日:08月17日 監督:ジョン・S・ベアード
原子力戦争 Lost Love
佐藤慶=田原総一郎なブン屋の苦悩な訳か。現在から考えてみると予言の書みたいな作品ではある。が、映画としてはどうだろう。中途半端にゲリラ撮影を挿入するくらいなら、いっその事ドキュメンタリーで良かったんじゃないかと云う気もするが、時代的に許されなかったから映画...なのかは良く分からん。まぁ無意味に妖艶さを振りまく山口小夜子がエロ可愛いから全て良しとする。
鑑賞日:08月16日 監督:黒木和雄
バベットの晩餐会
人々に訪れる微笑ましい妙な一体感から至高の料理を通してしっかりと人同士が繋がって行く見事な構成。与えて許す。静かに心を燃え上がらせる力のある一本。傑作。
鑑賞日:08月15日 監督:ガブリエル・アクセル
暗殺の森
光と影の映画。強さは弱さ、ブロンドとブルネット、盲目と晴眼ベースにひたすらデカダンスな方向に突き進む今作。んで次ではラストタンゴ•イン•パリな訳だ。暗すぎる...だがやっぱり好きだなぁ、ベルトルッチ。良作。
鑑賞日:08月14日 監督:ベルナルド・ベルトルッチ
断崖
清々しいまでにクズ風なケイリー•グラント。違うんだけど、冷静に考えるとやっぱりクズだよなぁ。そしてジョーン•フォンテインのお人好しと云うか馬鹿っぽい辺り、双方の性質があってこその作品なのでしょう。カメオのヒッチコックも確認。鑑賞者を釘付けにする手腕は流石。良作。
鑑賞日:08月13日 監督:アルフレッド・ヒッチコック
コミック雑誌なんかいらない
あーこれはあれだな、ロックってやつですわ。しつこいワイドショーリポートやら内田裕也と殿山泰司の棒演技大会とでどうなるもんかと思いつつも、日航機で鳥肌が立つ。豊田商事の放送事故再現など、当時としてはかなりセンセーションを巻き起こしたのではないか。面白かった、良作。
鑑賞日:08月10日 監督:滝田洋二郎
アイム・ソー・エキサイテッド!
前作との差がもの凄い事になっているのだが、昔の作品なんかを考えるとアルモドバルってこう云う監督な気もする。これほど下品なパニックムービーは観た事ないなぁ。大惨事を映像化せずに映画を壊さないセンスは流石。良作。
鑑賞日:08月10日 監督:ペドロ・アルモドバル
はなしかわって
濃密な60分。器用なのか不器用なのか分からん男の日常とNY。どんな人にでも善行はしとくべきと思わせる。生の喜びを凝縮した様な最後の場面と台詞は秀逸。傑作。
鑑賞日:08月09日 監督:ハル・ハートリー
こわれゆく女
とりあえず既に壊れているのだが、何をもって壊れていると云うのもそれぞれなのだ。コロンボの方だっておかしいものね。しかしおかしいなりに全てを包み込んでしまう愛ってやつは実に偉大である。2時間半の異常なテンションで痛々しいまでのホームドラマ、なのだが最後は台風一過みたいな具合に清々しく映画は終わる。傑作。
鑑賞日:08月07日 監督:ジョン・カサヴェテス
愛・アマチュア
久々の鑑賞。記憶を失くした男と存在を肯定してくれる女と実に見事な構成。扉の前の濃密な刹那のやり取りに向かってニクい程に上手に組み立てられている。サントラも素晴らしい。傑作。
鑑賞日:08月06日 監督:ハル・ハートリー
黒い罠
久々の鑑賞。冒頭の滑らか且つ立体的な長回しの素晴らしさは言うまでもない。そして登場シーンの秀逸さはオーソン•ウェルズのどの作品も共通している。兎にも角にも真っ黒けっけでダーティな今作ではあるものの、その裏に隠れている哀愁の存在が作品をより重厚にしている。終盤に向けての持って行き方など見事としか云い様がない。傑作。ああ、言葉なんてむなしいな。
鑑賞日:08月04日 監督:オーソン・ウェルズ
マーゴット・ウェディング
とりあえずジャック•ブラックは安定の面白さではあったけれども、全体的にはモヤモヤっとした印象。耳の中に虫が入ったみたいな嫌〜な感じに支配される家族って事なんですかね? 観てる方はちょっと疲れる。それだけにニコール•キッドマンが爆走するシーンがドラマティックで良いシーンではあった。まずまず。
鑑賞日:08月03日 監督:ノア・バームバック
王立宇宙軍 オネアミスの翼
どうしても森本レオ本人に変換される+α波気味の声で序盤は眠気に襲われるものの、見終わってみると大変良かった。脚本に力がなくても、貞本絵らしくなくても、なんかこう現実世界のドラマを見ている様で熱くなる。浪漫なんだなぁ。そう云うものに憧れる。大器の片鱗をうかがわせる。良作。
鑑賞日:08月01日 監督:山賀博之
category: 映画レビュー
tags: 2014年映画レビュー