Films: Feb.2015『アギーレ/神の怒り』ほか
Mar,01 2015 12:30
やっとTVシリーズの"ファーゴ"が終わってくれたと思ったら、今度は"ハンニバル"が始まっちまった。
なんとなく良作と外し気味の作品を交互に観ていた2月。
フィリップ・リドリーの"柔らかい殻"は良い収穫だった。
観た映画: 2015年2月
映画本数: 17本
鑑賞時間: 1999分
そこのみにて光輝く
同じ佐藤泰志原作でも海炭市叙景とは比べ物にならん気がする。どん詰まりの閉塞感はちゃんとやってる気はするものの、どこかベタな演出な印象。池脇千鶴の濡れ場も個人的には有難くない。まずまず。
鑑賞日:02月28日 監督:呉美保
ハート・ロッカー
アメリカ様のプロパガンダかどうか分からんが、シリアルの種類も含めて思わず凄い国だなと感じさせるものはある。色んな意味で。政治的な問題はさておき、映画としては超がつく程の緊迫感でかなり面白かった...瞬殺のレイフ•ファインズは何で出てきたか分からんけど。これは良作。
鑑賞日:02月24日 監督:キャスリン・ビグロー
アギーレ/神の怒り
壮大なジャングルとおままごとみたいな小ちゃな王国とその暴君。あらゆる自然に徐々に削られて破滅へと導かれる神の怒りを謳う男の何とも言えない無力感。クラウス•キンスキーのあの表情だからこそ余計に狂気を感じる。冒頭の行軍シーンから忘れられない一本ではある。良作。
鑑賞日:02月23日 監督:ヴェルナー・ヘルツォーク
エンダーのゲーム
どっかで見た様なサード•チルドレン的なお話。映像も飛び抜けて凄い訳でもなく、毒にも薬にもならん印象。かと思ったらエンディングでまさかのFlaming Lipsが流れてきて複雑ではある。まずまず。
鑑賞日:02月22日 監督:ギャヴィン・フッド
MAMA
ベタではあるものの、ちゃんとおっかない演出でかなり楽しい...途中までは。クライマックスで思いっきり失速。お涙で綺麗にまとめている感じの割には色々と回収されてない上にそれで締めるかと絶句。まずまず。
鑑賞日:02月19日 監督:ギレルモ・デル・トロ
LIFE!/ライフ
再鑑賞。やっぱりGoogleかなんかのCMみたいな映画だが面白い。コメディじゃなくてもベン•スティラーらしい小ネタがちゃんと盛り込まれているのは流石だな。Space Oddityの下りは秀逸。良作。
鑑賞日:02月18日 監督:ベン・スティラー
アンダー・ザ・スキン 種の捕食
ジョナサン•グレイザーって誰だっけって思ったらRadioheadやらのMV撮ってたやつか。どうりで見た感じのテイストで大変宜しかった。細かい説明などいらんのだよと云うなかなかのSF根性。スコットランドから宇宙の旅を感じさせる壮大さ。おまけにエレファントマンまで出てくる。なんか良く分からんとこもあったけど好き。
鑑賞日:02月17日 監督:ジョナサン・グレイザー
ムード・インディゴ~うたかたの日々~
ミュージックビデオを見ている様な映像の力の入れ具合は買う。時折シュバンクマイエルっぽいのも嫌いじゃないから良い。限りなく原作に忠実で決してつまらん訳じゃないのだけれど、何が問題ってミスキャストなのが大きい気がする。音の使い方も色々と好みではなく残念ではある。まずまず。
鑑賞日:02月17日 監督:ミシェル・ゴンドリー
突撃
因果応報の飛び交うブーメラン、上から下まで実に無力な人間たち。死の淵に立たされた兵士の性欲も湧かないって台詞は結構な名言。そしてドイツ娘のラストは胸が締め付けられる。何度観てもカーク•ダグラスのケツアゴが気になるものの、勿論傑作。
鑑賞日:02月14日 監督:スタンリー・キューブリック
17歳
やってる本人でさえ理由なんか分からない辺りに若さの表現がある。好き嫌いは別として全体的におフランス文学っぽいノリでもある。歌モノを挿入する演出は好きじゃないけど。まぁ男視点からすると腹上死は夢である。まずまず。
鑑賞日:02月09日 監督:フランソワ・オゾン
インドへの道
3時間弱の映画だが開始10分でインドに到着(物理的に)。植民地主義の時代、支配する方とされる方の大きな溝の中で渡辺謙似のインド人が英国娘の狂言に翻弄される。ペギー•アシュクロフトの台詞「人生は私たちが望む物を望む時に与えないのよ」に凝縮された内容。相互理解への道。なかなかの良作。
鑑賞日:02月05日 監督:デイビッド・リーン
アップサイドダウン 重力の恋人
Photoshop全開のPCの壁紙みたいな映像とシガー•ロス的な世界観は嫌いではない。細かい設定なんかもしっかりやってる割には大事なとこが雑な印象。まずまず。
鑑賞日:02月02日 監督:ファン・ソラナス
柔らかい殻
美しい。罪なる無知。現実世界の血生臭さとは対称的に無知の世界はどうしようもなく黄金色で美しい。知識に触れてしまった少年の悲壮な叫びが痛い。傑作。
鑑賞日:02月02日 監督:フィリップ・リドリー
天国の門
とにかく差別国家なアメリカ様の歴史とマイケル•チミノ監督の組み合わせならではの一本。ディア•ハンターなんかと比べるといささか無駄が多い気もしなくはないが、天国の門における移民達の死の宣告...からの決起や、ど迫力の戦闘シーンなどかなり見せ所は多い。木を囲んでの卒業式と戦闘の対比もなかなか。人生にくたびれた主人公と同じ様に観ている側もクタクタになる今作だが、プレミア娼婦イザベル•ユペールの可愛さですべてが許せる。良作。
鑑賞日:02月01日 監督:マイケル・チミノ
category: 映画レビュー
tags: 2015年映画レビュー, ザ・ビートルズ