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My Son, My Son, What Have Ye Done

狂気の行方

May,09 2014 14:00

最近観た "My Son, My Son, What Have Ye Done / 狂気の行方"('09) と云う映画のサントラの話。
ヴェルナー·ヘルツォーク監督、デビッド·リンチ製作総指揮、出演ウド·キアーと連なった名前を見るだけで不穏な感じのする今作。
1979年に実際にあった事件を元に描いているサイコスリラーだそうな。
神の世界を伝道する使命に燃える男が過保護な母ちゃんを殺した末に、ペットのフラミンゴを人質?にして立てこもる内容ではあるものの、製作陣が製作陣だけになんだか普通じゃない。いささかリンチ色の強い印象もあるけれど。

そんな今作で一番のお気に入りは主人公のマイケル·シャノンがガレージの隙間からラジカセを突き出し、包囲する警官達に神のお言葉を聴かせるシーン。
なんとも狂気、なんともリンチ的で流れている曲もリンチが歌っている(あの独特のヘロヘロ声)のかと思いきや、Washington Philippsなるブルースの人の"I Am Born To Preach The Gospel"と云う曲。良い。
あまりに気になるのでサウンドトラックを入手したところ、Ernst Reijsegerなるチェリストがほとんどの曲を手がけており、中東っぽい声音(映画内容的には南米か)とチェロの音の組み合わせて実に良い感じ。
パリ、テキサスのサントラに入ってそうなライ·クーダー的な曲もある。

輸入版オンリーの今作のサウンドトラック、封を開けた瞬間から異臭を放つ紙ジャケはともかくとして、映画共に内容は素晴らしい。