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New Life EP / otom

New Life EP

Dec,25 2019 16:00

otomの新作EP『New Life EP』を2019年12月24日よりBandcampにて先行リリースを開始しました。
SpotifyApple Music他のストアは2020年1月15日リリース予定。

余生はポツリポツリとシングルをリリースしてマイペースにやっていこうと思っていたものの、よせばいいのにEPの構想ができてしまい現在に至っています。
去年の終わりくらいから手を付け始めて、夏前くらいにはサクッとリリースするつもりがこんな時期になる。
真夏に膨張し続けるMid2009なMacBook Pro(古っ)のトラックパッドのところのバッテリーパックとバージョン管理で外付けHDDの容量確保に難儀しながらのミックス、マスタリングの地獄の日々の結晶の今作であったりします。
道具じゃないんだよ、制限の中で頭を使うんだよと格好良い事を言いたい所ではあるものの、来年こそはいい加減新調したい。
そんなかんなの新作ですが、いつも出したら出しっぱなしでプロモーションもロクにしないと言われがちで猛省中。
照れくさい上に主義に反してはいるものの、少しはユーザー(リスナー)フレンドリーを目指しつつ、作者自身による楽曲解説などを記載してみようと試みる。

New Life EP

'90年代後半から最新までの5曲をバランスを考えつつ配置。そう謳うのは憚られるけれども、やっぱりシューゲイザー、ドリームポップ、ポストロックな要素を多分に含んだ作品となってます。更には小さい頃から慣れ親しんだ色んな映画のサウンドトラックの影響なんか もメロディ作りの際ににじみ出てきている。
今更変えられようもないボーカルの雰囲気、ギターの音作りなどはそのままに、今回はフルート音の柔らかさとメロディ、ドラムの軽快さ辺りに特に重点を置きつつ、各楽器の定位バランスに神経を病的なまでに費やす。
微妙に各曲が繋がっている作りで、単曲と全体の構成のバランスも色々と考えた作品となっています。
先ずは自分にとって心地良い帯域バランスを模索する為のミックスとマスタリング作業の沼に大半の時間を費やしました。

01. Meeting Myself

EPの序曲にしてインストの小曲。オルガンのようでオルガンじゃない、ギターのようでギターでない音色。
自作のMaxパッチでゴニョゴニョしつつ、サウンド形成しています。
2006年にストリングス、ベース、ボーカルと云う編成で作成した曲で、ほぼ展開などは同じ。
元々、2010年代の初めの頃に全編エレクトロニカ、フォークトロニカなアルバムを作る際の一曲目として考えていたものの、それが頓挫した為、長年お蔵入りとなっていた。

02. New Life

えっ、どこが?と世界中の人から盛大にツっ込まれるのはもとより覚悟の上。
愛すべきヴェルヴェット・アンダーグラウンドのおなじみな名曲、『All tomorrow's parties』をオマージュした曲。
2015年より大手配信サービスより展開し始めた際の最初の一曲で、原曲は2007年頃のもの。ドラム以外はほぼ変わらず。
今回、EPに収録するにあたり、大幅なミックス、マスタリングを施してクオリティアップを目指す。

03. Walk With The Star

前の曲から流れるように繋がり、空間を埋めていく一曲。
シンプルなコード進行とギターストロークを延々と、と云う自分の手グセ感の要素大です。
中盤よりメロトロン、ギターフレーズと共に、サンプリングした声を多重に配置してます。
単なるディレイのように聴こえるようで、実はちょっと違います。
2009年頃にはこの形で収まっていたものの、ちょっとシングルって感じでもないので長らくリリースには躊躇しており、埃を被りそうな具合だったので、ようやく収まってホッとしています。

04. Pneuma

今回のEPの目玉として位置付けている曲でほぼ最近の曲。
ハクスリー著の『すばらしい新世界』に出てくる『pneumatic』と云う言葉がタイトルに由来しています。
また、otom別名義でネタ作曲家名義のpneumaticsの名前もここから。
今作は2015年頃にイントロのギターフレーズから始まった曲で、ひたすらループのインスト、ベースライン、ドラムフレーズやボーカルのメロディが異なるものなど色んなバージョンがあったりします。
そんな中でEPに収録されたこのバージョンは、10分程度でメロディラインと構成が決定。
これが降りてきたってやつか!!と自分の中では思っており、そんな感覚を大事にしていきたいと考える今日この頃。
プローモーション用の映像作品としてこの曲を選択し、YouTubeVimeoなどで公開中。

05. Emotion

今回のEPの締めくくりで、大きく3部構成からなる曲。
'90年代の終わり頃にデスクトップのMacからノートに変えた際、それまでのMIDIオンリーからオーディオ録音までMacでまかない始めた時のいちばん最初にできた一曲。
当時マイブラ、ケヴィンのパステルズリミックスのやつみたいな曲が作りたかったもので、今作は構成もほぼ原型をとどめている。
グリッチノイズっぽいのから、ちょっと意味が違うけれどもウォール・オブ・サウンドなドローン、歌ものまでを一つにまとめたもので、改めて考えると当時から今もやっている事が変わらなかったりする気もしなくはない。
また終盤の歌の箇所は2004年リリースの1st『November Morning』収録の『Somewhere』にも使われている。
エンディングは尊敬する六八コンビに少しでも近付きたい気持ちより、ちょっと拝借して曲の締めとしています。
今作も長らくリリースする場がなかった曲であったものの、自身としてはきっちりと収まった気はしている。

そんな感じの作品となった今作『New Life EP』ではありますが、近頃は溜まりに溜まった膨大データ整理を年内中に片付けるべく奮闘している状態です。
どなたか良いメンバーがいればすぐにでもライブしたいところですが、まぁそれはまたいずれ。
各サブスクサービスからのリリースは年明け2020年1月15日を予定していますが、先ずは24bit音源でリリースしているBandcampにて多くの方々に聴いて貰えたら幸いです。