少女革命ウテナ
May,28 2013 12:00
新・習劇 第16回 『少女革命ウテナ』
「かしらかしら、ご存知かしら〜」
...知りませんでした。
2011年に放送された『輪るピングドラム』を観るまで、鬼才·幾原邦彦と『少女革命ウテナ』を知らなかったのです。
『少女革命ウテナ』が放送された1997年と云えば、アニメなんて子供の観るもんよなどとスカしていた私ですが、10数年経った現在では週に何本も放送されるアニメをひたすら追いかけ続けるまでに変化している次第です。
と云う訳でようやく『少女革命ウテナ』を鑑賞。
『輪るピングドラム』ですっかり幾原ワールドに魅了された訳ですが、昨今のアニメの話数の遥かに上を行く39話と云う大盛り具合にたじろいでしまい、観るタイミングがなかなか掴めずに2年近く経過。
しかし、意を決してこの1ヶ月くらいで全エピソードと劇場版を一気に観る。
簡単なあらすじとしては以下
"幼い頃に助けてくれた王子様に憧れ、王子様になりたいと願うようになった少女・天上ウテナは、入学した鳳学園で「薔薇の花嫁」と呼ばれる少女・姫宮アンシーと出会う。エンゲージした者に「永遠」に至る「世界を革命する力」を与えるという「薔薇の花嫁」をかけて戦い続ける生徒会役員(デュエリスト)たちは、ウテナがかつて王子様から貰った指輪と同じ「薔薇の刻印」と呼ばれる指輪を持っていた。ウテナもまたこの決闘ゲームに巻き込まれ、その背後にある「世界の果て」へと迫っていく…。"
Wikipediaより
...とまぁこんな感じのお話な訳ですが、設定からして常軌を逸しています。
第1話で何やらデュエリストやら薔薇の花嫁やら意味不明な単語が飛び出てきたと思いきや、いきなり決闘が始まってウテナが「世界を革命する力を〜」なんて言い出すもんだから更に訳が分からん。
更に云えばプログレなのかなんなのか、変拍子モリモリのかなり謎な歌詞の音楽が次から次へと流れる。
あまりに強烈な音楽なので調べてみると、作曲したのはJ·A·シーザーたるれっきとした日本人で、天井桟敷で音楽を担当されていたとの事。
それを知って、この変態音楽に妙に納得がいったのであります。
早速、サウンドトラックをゲットして聴き入っております。
全エピソードの鑑賞が終わって印象に残っているのが、「暴れ馬」だったり「カウベル」だったり「カレー」だったり、やっぱり「暴れ馬」だったりと桐生七実に関する事が非常に多いのですが、『輪るピングドラム』の苹果ちゃんと同様にアクセントになる非常に良いキャラ。
話の筋は『輪るピングドラム』よりも分かりやすい気がするけれども、幾原邦彦作品はその圧倒的なスケールの大きさと意味不明な展開を楽しめばよろしいのでしょう。
序盤のギャグっぽいのが嘘みたいな、終盤に畳み掛けるシリアス感。もちろん号泣。
長い話数を経た上で結末を知るべきであるかと思うので、ここでは割愛するも、まだ観ていない人には全力でオススメしたい。
今更だけど。
リアルタイムで是非とも観ておきたかった作品。あの頃の自分に説教したい。
で、劇場版も最後に鑑賞。
設定が微妙に異なっているものの、あのボリュームを1時間半に収めつつ、更にはしっかりと劇場版として高クオリティものを創る幾原邦彦とBepapas。恐るべし。
スケールの大きさは増し、ナナミ(牛)も登場する。
ものを創るとはこう云う事なのだと突きつけられた感じです。
そんな訳で、お腹いっぱい胸いっぱいのウテナ期間であった。
自分の知らない面白いものがまだまだ沢山あるなぁと痛感。
絶対運命黙示録。
そんな今日この頃。