
Films: May.2016『清作の妻』ほか
Jun,01 2016 13:30
ブルーレイの整理ついでの鑑賞の多い5月。
天然物のアイドルやっぱり違うなと感じつつの角川物と気候のせいかベトナム物がちらほらと。
観た映画: 2016年5月
映画本数: 22本
鑑賞時間: 2960分

清作の妻
ある意味いびつな共同体へのアンチテーゼとして存在する凛々しい若尾文子さま。ズタボロになってもお美しい。村八分系の映画としてはかなり激しい部類だと思う。増村保造+新藤兼人でつまらん訳はない。傑作。
鑑賞日:05月31日 監督:増村保造

さよなら、アドルフ
価値観の変化を受け入れざるを得ない旅。マックス•リヒターの曲も映像もとても良いけれども、ちょっと印象が薄い気もしなくはない。まずまず。
鑑賞日:05月31日 監督:ケイト・ショートランド

青いパパイヤの香り
なんとなく再鑑賞。雲行きぐ怪しくなっているであろう時代のベトナム...の玉の輿映画。しかしながら、描写されるのは非常に静かで慎ましいベトナム。そこには暑さは感じず、夏の朝の爽やかさすら感じる。古代からの侵略にも屈する事のない、りんと立たずむ桜の木のような民族的強さを見せられているよう。良作。
鑑賞日:05月28日 監督:トラン・アン・ユン

雪の断章-情熱-
相米慎二的長回しから始まり、斉藤由貴登場シーンやバスルームシーン、花屋のシーン等々、昨今の日本映画にはない気概を感じる。古くは足長おじさん、最近ではうさぎドロップなベタの筋だけれども、良作だと思う。
鑑賞日:05月27日 監督:相米慎二

女経
この監督たちの並びでオムニバスと云うちょっと珍しい作品。三作共、それぞれの監督らしい作品に仕上がっている。中でも増村作品が役者も含めて一番ブレてない感じ。川口+田宮のウザい二人が登場するところなんか特に。若尾文子さまの耳ガジガジを見るだけでも価値がある。
鑑賞日:05月25日 監督:増村保造,市川崑,吉村公三郎

愛の嵐
久々の鑑賞。まずはなんと言ってもシャーロット•ランプリングのボンテージなシーン。戦後までSとMを引きずってしまった男と女が再会の末に兵糧攻めに遭う。お天道様の下で生きない賢明な選択をするダーク•ボガートであったが、ナチ残党の面倒臭さは恐るべきものであった。良作。
鑑賞日:05月24日 監督:リリアーナ・カヴァーニ

ミツバチのささやき
死んだ真似と本物の死。ファンタジーとスペイン内乱の変な組み合わせながら、妙に納得できるものがある。ちょっとドラッギーな雰囲気を感じなくもないけれども、実に良かった。良作。
鑑賞日:05月23日 監督:ビクトル・エリセ

機動戦士ガンダム THE ORIGIN III
まさに外道。ガルマの名家に生まれた苦悩にかすかなシンパシーを感じるシャアの描写はなかなかだった。次はララァか、楽しみ。
鑑賞日:05月21日 監督:今西隆志

ルートヴィヒ 復元完全版
最高峰の特権階級の自由を所持しつつも、それを凌ぐ理想の高さで崩れて行く一人の王の姿が実に生々しく人間的に描かれている。お耽美とデカダンスの描写の説得力はヴィスコンティの地の品の良さか。ちょっと長いけど良作。
鑑賞日:05月17日 監督:ルキーノ・ヴィスコンティ

暮れ逢い
ルコント作品は90年代くらいまでの以来の鑑賞。メロドラマと成り上がり物語が戦火に翻弄されるベタなストーリーだけれども、前半のいびつなズームなど心象に沿った演出でなかなか良かった。にしては盛り上がりに欠ける気がしなくもないが、劇中の二人がこの後メチャメチャ盛り上がるだろうから良しとする。良作。
鑑賞日:05月15日 監督:パトリス・ルコント

パッション
パワハラからの、この恨み晴らさでおくべきか〜でデ•パルマ得意の画面分割が炸裂する。往年の作品を彷彿とさせるなかなかのクオリティ。上から下と追い詰められ過ぎなノオミ•ラパスはこの手の役柄が良く合う。良作。
鑑賞日:05月11日 監督:ブライアン・デ・パルマ

女性上位時代
明るく健全にビッチ化して行くカトリーヌ•スパークを愛でる為の映画。音楽、美術が素晴らしいので、内容はどーでも良くなってくる。良作。
鑑賞日:05月10日 監督:パスクァーレ・フェスタ・カンパニーレ

ローマ、愛の部屋
勝手なイメージだけれど、百合ってよりはガチレズな印象。素っ裸で密室を歩き回るも、まったくいやらしくはない。嘘と本当の間の身の上話から核心に迫る持って行き方はなかなか。良作。
鑑賞日:05月09日 監督:フリオ・メデム

乙女の汚れた裸
ひでー目にあって散々でしたって話な訳ではあるが、割とテンプレの詰め合わせな気もしなくはない。それを映像のギミックでややこしくしている印象。タイトルに釣られての鑑賞だけれども、生温い感じ。まずまず。
鑑賞日:05月08日 監督:マテイ・フルパチェク

燃えつきた地図
整理ついでに鑑賞。やっぱり良く分からん。が、やたらに格好良いを追求する勝プロの意気込みは伝わってくる。今作の勅使河原宏の斬新な手法の数々が後の勝新作品『顔役』でバッチリ活かされている。それにしても他の勅使河原宏作品同様に市原悦子はきっちりと異様だった。怪作。
鑑賞日:05月07日 監督:勅使河原宏

なまいきシャルロット
ついつい鑑賞。昔に観た時は大して面白い映画じゃないなぁなんて思っていたのが、改めて観ると思春期の繊細な部分で胸が締め付けられる...中年の今。このあどけないって言葉が似合う少女がアンチクライストに変貌すると誰が予想したであろうか。児ポ的には完全アウトだけども、良作。
鑑賞日:05月05日 監督:クロード・ミレール

セーラー服と機関銃
薬師丸ひろ子がクレーンで吊られるところが見たかったので再鑑賞。設定はともかくとして、さりげないカメラエフェクトやSEとかなり実験的で単なるアイドル映画とは一線を引いている。相米慎二の雨シーンってやっぱり良いなぁ。良作。
鑑賞日:05月03日 監督:相米慎二
category: 映画レビュー
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