Films: Jul.2017『ふたりのベロニカ』ほか
Aug,04 2017 12:00
ちょいちょい重いテーマな映画を観ている7月。
久々鑑賞の『ニンフォマニアック』に加え、イニャリトゥ+ディカプリオの『レヴェナント:蘇えりし者』も凄まじかった。
自然の描き方としての『リトル・フォレスト』との落差が激しい。
そして『ふたりのベロニカ』でのキェシロフスキの映像美。素晴らしい。
観た映画: 2017年7月
映画本数: 14本
鑑賞時間: 1864分
レヴェナント:蘇えりし者
生命の価値観の差を描くイニャリトゥ監督。他の作品同様に重厚に仕上がっている。燃やして治すランボー状態の元タイタニックの人も、ほとんどフガフガ言っているだけなのにやたら圧倒的。成熟されている感じ。教授とアルヴァ•ノトのサントラも実に合っていて良かった。良作。
鑑賞日:07月31日 監督:アレハンドロ・G・イニャリトゥ
ウホッホ探険隊
ドロドロの筋な上に田中邦衛の始末の悪さがかなり酷い訳だけれども、なんだかにカラッとしているのは森田芳光脚本と子供たちの屈託のなさによるものか。妙な空気の流れる80年代らしい作品ではある。嫌いじゃない。
鑑賞日:07月29日 監督:根岸吉太郎
ヤング・アダルト・ニューヨーク
ジュクジュクした傷口に塩を塗られている様な気分にさせられる。これが中年の現実。ガールズのアダムも良かった。テンポも申し分なし。良作。
鑑賞日:07月20日 監督:ノア・バームバック
ニンフォマニアック Vol.2
後編。パフェ運んできたウド•キアが出てきた瞬間にやはりキッチリと締まる。ラース•フォン•トリアーの過去作品のエッセンスに加えて、あちこちに散りばめられたタルコフスキー愛。山上の木と対峙するシーンは鳥肌が立つほどの美しさ。で、しっかり落とす。傑作。
鑑賞日:07月17日 監督:ラース・フォン・トリアー
ニンフォマニアック Vol.1
前編、公開時以来の鑑賞。教養の嵐と数ある名作の主題を完全に我がものとしてしまうラース•フォン•トリアー。後半に比べると極めてマイルドではある。キングダムな自動ドア挿入もまた絶妙。"卵を割らずにオムレツを作ることはできない"とキッチリ攻める。天才。
鑑賞日:07月16日 監督:ラース・フォン・トリアー
ふたりのベロニカ
東と西のベロニカ。暖色と寒色。オケとフィールドレコーディング等々に加えてさりげなくドラマチックな映像をねじ込んでくる。先の事が分かってしまうベロニカは破滅も見えてしまう、だから哀しい。これは良作。
鑑賞日:07月14日 監督:クシシュトフ・キェシロフスキ
ブーベの恋人
ファシストとパルチザンの歴史認識ありきじゃないと話のすっ飛ばし具合に付いて行けないのじゃないかと思われる。最後こそ尽くす女風に終わっているものの、終身刑は何年と面白質問をしつつ、フラフラするあまりにあんまりな女の印象しか残らん。男はつらいよみたいな劇伴はなかなかだった。
鑑賞日:07月11日 監督:ルイジ・コメンチーニ
裁かれるは善人のみ
神の所在を問うカラマーゾフ的でロシア的な一本。罪は証明されなければ罪じゃないと云う残酷さ。聞き取り不可能な早口判決や指導者熟成の下りなど、重いテーマの中にユーモアを組み込ませるのもなかなか。良作。
鑑賞日:07月10日 監督:アンドレイ・ズビャギンツェフ
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