otom

ベルリン・アレクサンダー広場

Films: Aug.2019『ベルリン・アレクサンダー広場』ほか

Sep,04 2019 12:30

今年の我が家の夏前半はライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督の『ベルリン・アレクサンダー広場』に費やす。
気の遠くなる様などん底の13のエピソードとエピローグの900分なものの、鑑賞後の満足度は半端ない。
あまりに良かったので、アルフレート・ デーブリーンのまさに辞書みたいな原作も読んでる最中。
映画と大体一緒なんだと思うんだけど、こちらの訳わからなさもなかなかスゴイ。
後半はまた普通の映画。先月に続いてのピーター・グリーナウェイ『ベイビー・オブ・マコン』はやっぱり圧巻。
ずっと観たかったアルフォンソ・キュアロンの『ROMA/ローマ』も期待を裏切らない出来。
酒飲みじゃないけど、ビリー・ワイルダーの『失われた週末』も依存系の深淵を垣間見るようで、これまた素晴らしい。
大穴だったのはジョージ・ルーカスの『THX-1138』。
ディストピアものの視覚効果のレベルの高さで言ったら結構なモンな気がする。
そんな8月。

観た映画: 2019年8月
映画本数: 14本

勝手にふるえてろ

人にあだ名付けちゃう娘が名前で突き落とされるって良く出来てるな。気をつけよう。いやしかし可愛らしいねぇ、松岡茉優。

鑑賞日:2019/08/31 監督:大九明子


15時17分、パリ行き

散々色んなヒーローやってきたクリント・イーストウッド。そんな彼が誰でもヒーローになれるんだゼとカッコいい感じで言ってる風。そこかしこに何やら適当なシーンがある気もするんだけど、全体的には他の監督作同様に普通に面白い不思議。細けぇこたぁいーんだよ、カッコいいが至高、それがUSA!!!と言われている様で、まぁ嫌いじゃない。

鑑賞日:2019/08/28 監督:クリント・イーストウッド


T2 トレインスポッティング

懐古的シャイニング。あれから20年か。ほぼ同世代だけにそんだけ時が経てば色々と衰えるってのが身をもって分かるし、どうしたって当時を思い出すから余計に嫌だねぇ。映像含めて無理矢理鞭打ってやってる感じでいささか苦しい感じは否めず。まぁ20年に一度くらいならこんなのがあっても良いんじゃあないかしらって気もするするけど、1作目だけで良いって気もする。ジョージ・ベスト的ユニフォームは今の時代でもカッコいい。

鑑賞日:2019/08/27 監督:ダニー・ボイル


ROMA/ローマ

ROMA/ローマ

OPEDの下上で一皮むける感が秀逸で海のところのパンのドキドキ感が異常。メキシコの割に露骨に物騒な感じはしないけど、エンドロールぶった切る映画館とかタマルとか色んな意味でメキシカンだな。女は孤独って事であたかも無重力空間に放り出されたみたいな者同士が極限状態の中で微かにコンタクトするかの如くの力強い融和、そしてこれだけの映像クオリティを見せられたら唸るしかないねぇ。ROMA-AMORなのか、なるほど。...18、19、30!!でアリガトウゴザイマシタ。

鑑賞日:2019/08/26 監督:アルフォンソ・キュアロン


ブリーダー

イケてるOPから大体プッシャーな面々のハートウォーミングストーリー。映画の事しか話せない若マッツの周りでは結構激しくバイオレンスしてる。Love is real, Real is loveにも色んな形があるもんで、何はどうあれ結果前向きで良い。映画オタク的気配りのアルマゲドンにウルっとくる。しかし、HIVの刑とそのお返しとか良く思いつくよな。あまりにあんまりな母への捧げものではある。

鑑賞日:2019/08/25 監督:ニコラス・ウィンディング・レフン


ブレードランナー 2049

一応なんとなく繋がっている。ただなんかやたらと気合いの入った映像以外はありがちな感じは否めない。寡黙で血だらけな警官のよくいるゴズリングはもとより、繰り返される革命だーとか、記憶のオチ感とか。なんだか作品ごとに何かが欠けていってる気がするヴィルヌーブ作品。雨どころかオリジナルを凌駕するずぶ濡れ具合はちょっと面白かったけど。しかしなんだな、2049年の空まで飛んでるプジョーでワイパー現役ってのは夢がないよな。

鑑賞日:2019/08/24 監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ


失われた週末

気持ちが良いくらいに負の連鎖。アルコールでもヒロポンでもなんでも行けるテーマではある。悪意の円から始まり粋な言い回しと細部まで丁寧な演出多数の上に小動物まで出す抜かりなさで嫉妬するレベル。9割9分のどん底の末にようやく芽生えた閃きって云う絶妙な割合と無限ループでお代わりいけそうなラストとで素晴らし過ぎる。やらかす時はまたやるんだろうけど。

鑑賞日:2019/08/22 監督:ビリー・ワイルダー


夜の第三部分

訳分からん。時空が歪んでるのか幻覚なのか凄まじいまでの映像魔術で途中から筋を追うのを放棄した。ヨハネの福音(多分)のまさに悪夢で悪夢な時代と。構図決まり過ぎな地下道のシーンでアジャーニ化しそうな勢い。今までに見た映画の中でダントツで痒くなる一本だったな

鑑賞日:2019/08/21 監督:アンジェイ・ズラウスキー


ベイビー・オブ・マコン

鬼畜度高いけど、劇ですからって云う。大義名分のもとでの搾取と迫害って事で身ぐるみ剥ぐどころか、聖遺物まで記念に貰っとこうって底なしな人類の欲望であり性みたいな。大小問わずに抜け目がないとこの世界はやって行けんよなと考えたら、タピオカミルクティーを売ってJKから搾取するヤクザの図を思い浮かべてしまった。美徳を備えて生まれ出でたものを汚さずにはいられない人のジレンマ。しかし、レイフ・ファインズ...ご立派な事で。

鑑賞日:2019/08/20 監督:ピーター・グリーナウェイ


THX-1138

逆に1984とかリベリオンみたいな内容なんだけど、SWの1000倍は面白い。あらゆる視覚効果がずば抜けて良いのは持って生まれた才能なんだねぇ。見渡す限り白!!とかきっちりGを感じるカーチェイスとか実に良く出来てる。ほとんどラロ・シフリンを感じないんだけど未来系な劇伴とマタイ受難曲なラストもかなり好き。

鑑賞日:2019/08/19 監督:ジョージ・ルーカス


昼下りの決斗

善と悪の間を揺れ動く。アープ兄弟も知ってるゼって云うチートかつ、高潔さを望む老ガンマンと配役の絶妙な配置。ハイシエラの目に優しく、斜面萌えな山ロケーションの中で振り子のように揺れる人の心の動き様。それでいて最後は正面突破とかなりシビれる。サブキャラながら、色んな意味でダーティーさ全開のウォーレン・オーツも良い。

鑑賞日:2019/08/18 監督:サム・ペキンパー


間違えられた男

みんなテキトー。ヘンリー・フォンダの人相云々は置いといて、世間は曖昧模糊としたもんなんだと。不幸が不幸を呼び、一応実話なラストって事でマイナスから普通に戻っただけって云う。ミュージシャンは数字に惹かれるんだゼと冒頭でカッコつけてたヘンリー・フォンダ、可愛いヴェラ・マイルズのダメ押しなメンタル崩壊で結果的には結構マイナス気味な雰囲気なんだけど。

鑑賞日:2019/08/17 監督:アルフレッド・ヒッチコック


ベルリン・アレクサンダー広場

どん底中などん底の900分。大戦間のドイツ的閉塞。ただでさえ1話目から濃密かつ妙な演出が盛り込まれつつ、13話まで進んだと思ったら、エピローグがぶっ飛び過ぎ。そして神懸かりな俺得選曲。世の中は砂糖と汚物の混じり物で善人なだけでは駄目なのだ、ちゃんと目を開けて現実を見ろと腹の底から搾り出されるかの如く。普通の生活を得る為の代償と屠殺イメージで人生について考える脳みそが超混乱する。高い授業料を払ったフランツに待ち構える不遇の時代を思うと胃が痛いけど、星10個でも足りないくらい。

鑑賞日:2019/08/16 監督:ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー


欲望の法則

火傷しそうなくらいに情熱的で夏場に観たのを後悔するレベルで濃厚(誰か水ぶっかけてー)。気合い入れすぎな男色オンリーな濡れ場の数々にややこしい性の相関図とでもうグチョグチョな感じ。それでいてマジカルなお洒落シーンをちょいちょいぶっ込んでくる天才的なアルモドバル。テンペストばりの終わりの挨拶でまた同じ趣向のやりますと言われて、お、おう...としか言えん。

鑑賞日:2019/08/02 監督:ペドロ・アルモドバル