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U・ボート

Films: Sep.2019『U・ボート』ほか

Oct,02 2019 13:30

なかなか混沌とした9月。
とりあえずTVシリーズの『エヴァンゲリオン』を久々に観るつもりでNetflix。
なものの、観るもんのチョイスに色んな意味で結構困る。
まずはヴィゴ・モーテンセン主演の『はじまりへの旅』のサバイバルライフに超憧れる。
それから他の作品が観た過ぎるのに情報が少な過ぎなデニース・ホークの『手遅れの過去』はやっぱり傑作。
スコセッシものをちょいちょい混ぜつつ、こちらも久々の『トップをねらえ! 劇場版』の1と2。勿論の傑作。
今月一番の大穴はインド南部の村で100歳超の老人が亡くなってからの顛末を描く『ガウダ爺さんのお葬式』。
とりあえずカレー食いたくなる。
後半はペーターゼン監督の'81年の『U・ボート』のノーカット版を久々に。
今年は何やらドイツものを多く観ている気がしなくもない。
ベルリン・アレクサンダー広場』主演のギュンター・ランプレヒトもちょい役で出演しているのを今回初めて気付く。
そんなかんなの9月。来月はもうちょい映画を観たい。

観た映画: 2019年9月
映画本数: 15本

スウィートホーム

スウィートホーム

色々と破綻してる上に絶望的にテンポが悪いんだけど、VFXだけは異常に力がはいってる。ラスボスと古舘一郎と古舘一郎がエグいの度が過ぎてる感じ。黒田福美のスコーンといくところもベタだけどヒエッとなる。ガソリン注ぎながらタバコやる伊丹十三でも燃えるときゃ燃える。

鑑賞日:2019/09/26 監督:黒沢清


戦艦バウンティ号の叛乱

どの作品でもそうだけど、身のこなしだけでクラーク・ゲーブルって分からせるってのは凄いな。こいつ絶対にぶっ殺すと悪辣なチャールズ・ロートンに向けての乗組員及び鑑賞者のフラストレーションの蓄積のさせ方が絶妙。地獄の前に楽園を挟むのもまた上手い。実際の船長の振る舞いは映画ほどははっきりせず、あやふやなんだそうだけど、海上では厳格に振る舞う必要があると考える人物像をキッチリ匂わせており、ただの小悪党に収まらない。海浪漫に階級あるあるで見応えがある。

鑑賞日:2019/09/23 監督:フランク・ロイド


ミスター・ノーバディ

どっちがより面白かったかと問われたら、ミスター・ノー"ボ"ディの方が好みだけれども、こっちもなかなか。バタフライ効果を軸にいささか詰め込みまくっている感はあるものの、映像表現やら時間軸バラバラでのパラレルワールド具合でなんかこう、たらればの力技って感じでねじ伏せてくるのでその心意気を買う。マジかーってくらいに風呂敷広げまくりで凄い事になっているけど、スローターハウス5みたいなのは無条件で好きだったりするので結構楽しく鑑賞。BTTF振りにMr. Sandman聴いた。

鑑賞日:2019/09/21 監督:ジャコ・ヴァン・ドルマル


ガウダ爺さんのお葬式

ガウダ爺さんのお葬式

晩飯バターチキンカレーの後に鑑賞。で、早々にマトンカレーを渇望する。ヤバい奴だらけなインドで欲望が渦巻きまくるのに超平和な感じなのは羊たちのおかげか太陽のせいか。孤高の生き方と恥晒しな生き方を分かりやすく描いてくれる。素晴らしい。

鑑賞日:2019/09/18 監督:ラーム・レディ


トップをねらえ2!

ある意味ノリコより努力と根性がある。色んな設定追加でOVAじゃないと物足りなさはあるものの、スケール含めてキッチリ前作を踏襲。瞬間涙腺崩壊度は2のラストの方が凄いかもしれん、当然1ありきなんだけど。上手いこと考えられてるな。これ観るとしばらく、なぜならばが口癖になる。

鑑賞日:2019/09/16 監督:鶴巻和哉


トップをねらえ! 劇場版

質量と時間のスケールの大きさ、演出の細やかさに加えて無駄(不可欠)なポロリ、更には努力と根性とで完璧過ぎる。そんな訳で劇場版における亜空間レベルの編集で話が飛びまくるのも大して気にならない。と云うか駄目なところが見当たらん。序盤からオカエリナサ(イ)まで目頭が熱くなりっぱなし。何てこった、最高。

鑑賞日:2019/09/15 監督:庵野秀明


沈黙-サイレンス-

日本二十六聖人殉教地に訪れた時と随分様子が違う上に英語(!!!)が堪能な人の多いインターナショナルな長崎。ほぼ原作に沿ってはいるとは思うものの、雑なCGと日本の役者の面々で何か冷める。イッセー尾形の残虐大会と神の沈黙のせめぎ合いはなかなか見応えはある。けれど何が足りないと考えた末に原作の方言感ってのがあり、その辺りで仔羊達の悲壮の具合が大きく削がれている気もしなくはない。原作のキチジローの好きなところ「この俺は転びものだとも。だとて一昔前に生まれあわせていたならば、善かあ切支丹としてハライソに参ったかもしれん。こげんに転び者よと信徒衆に蔑されずすんだでありましょうに。禁制の時に生まれあわされたばっかりに・・・恨めしか。俺は恨めしか」と。五島の猫村と加瀬首が一番衝撃だった。

鑑賞日:2019/09/14 監督:マーティン・スコセッシ


ローリング・サンダー・レヴュー

ローリング・サンダー・レヴュー マーティン・スコセッシが描くボブ・ディラン伝説

言うまでもないけど、偉大過ぎて爪の垢を煎じて飲みたいレベル。これだけ気合いの入ったプロテストソングの数々なんてあまり見かけなくなった2019年に思うところは多々ある。目で殺されそうなディランとジョーン・バエズは勿論の事、メディテーションしまくりな動くアレン・ギンズバーグや米三杯いけそうなジョニ・ミッチェルのトーンやら凄いのが次々と出てくる(浮いてるミック・ロンソンは別として)。瞬間で切られる霧の8マイルにスコセッシめ何してくれると個人的にはいささか残念なんだけれども、全体としてはお腹一杯で大満足。

鑑賞日:2019/09/12 監督:マーティン・スコセッシ


日本百年

日本百年

日本百年と題しながらも、太平洋戦争末期がちと長め。大本営の愚かさが露呈されるも、その辺は明治の偉人以降は今も昔もそんな変わらん気もしなくはない。歴史にたらればはないのは分かっちゃいるけど、日露戦争あたりのマックスを維持してりゃどうだったかとも思う。何にせよプロパカンダに利用しない真実の映像ってのは確かに重要ではある。それさえも利用されかねないジレンマは常に孕んでいるにせよ。

鑑賞日:2019/09/09 監督:山田洋造


男はつらいよ 寅次郎夢枕

八千草薫と倍賞千恵子の強力2トップが見たくて。ヴィヴァルディに乗せて秋全開で進む。10作目にして各所のシーケンスパターンのテンプレ具合も磨きがかかってる印象。逃した魚がデカ過ぎて来世でも自害できるレベル。イレギュラー対処が苦手で腰にくる寅次郎。

鑑賞日:2019/09/08 監督:山田洋次


残像

極彩色を飲み込む赤、赤、赤。当局と仲間たちの迫害レベルな同調圧力が恐ろし過ぎる。死ぬまでに何かを遺すって状況の過酷さの次元がちょっと違う。他人が受けている迫害は所詮はショーウィンドウーを通しているかの如く。静寂なこちら側で一人マネキンと共にバラバラになる下りの凄まじさに鳥肌が立つ。

鑑賞日:2019/09/06 監督:アンジェイ・ワイダ


手遅れの過去

手遅れの過去

劇中は手遅れまくりでも、鑑賞者は何が起きてるか分かる入れ子構造。不器用な中の人達、崩された時系列とは裏腹に流れるように滑らかに撮影された長回しが実にお見事。最後のリールの下りがシビれる。

鑑賞日:2019/09/04 監督:デニース・ホーク


エル ELLE

割礼跡で見分けるユペール様。とっ散らかった末にメンタルが定まってくるのは分かるけど、やっぱなんかとっ散らかってる。雀をパクリと行くニャンコに本能のまま生きよと言われているよう。

鑑賞日:2019/09/03 監督:ポール・ヴァーホーヴェン


残虐全裸女収容所

全裸ってよりはホットパンツ映画。女囚怒りの復讐はご褒美以外の何物でもない(男の娘には拷問)。大体の動機と展開がなんか適当な感じで、潜入する革命家の2人に至ってはあまりの無能さにア然とする。ものの、お洒落な編集等々なかなか面白い所もちょいちょいある。邦題の割にはとても平和。

鑑賞日:2019/09/02 監督:ジャック・ヒル


はじまりへの旅

意識高い系では片付けられない。と云うかむしろ思いっきり憧れるサバイバルライフ。長男への手向けの言葉、『日々を人生最期の日と思って生きろ』や『高潔であれ』と露骨にスティーブ・ジョブズかヒッピー的思考なんだけど、日々意識しちゃいるんだけど実践しようとすると難しい。無知ってのは何を指すのかは人それぞれだと思うけども、正しい方向性ってもんはいつの世もぼやけてはいない気がする。時間の浪費はしなくないなぁ。シガーロス的なアイスランド感なサントラ、グールドはともかく、カミさんの一番好きな曲がガンズって事でやっぱUSAって感じ。Power
to the Peopleと云われると最早ジョンより内田裕也な脳内変換になっちゃうけど、言いたい事は分かる。とりあえず明日から頑張る。

鑑賞日:2019/09/01 監督:マット・ロス