otom

Al Pacino

アメリカン・ニューシネマ

Sep,02 2007 20:00

昨日久々に「スケアクロウ」('73)を観る。
ついでに夜中に「タクシー・ドライバー」('76)をテレ東で放送していたのでそちらも何回観てるんだってくらいの鑑賞。
なんともアメリカン・ニューシネマ三昧である。

なんというかアル・パチーノの役柄の差が凄い。
ドンの役をやっている時期だと思われるのだけれども、こっちの映画ではちびっこでおどけたナイスガイ。
男色野郎に襲われメタメタにされるものの、相手がドンだったら確実に消されているだろ。
死んだと聞かされた息子の洗礼をしようとするラストに毎回切なさを覚える。
人ごととは思えないのだ。

で、ドン繋がりでデ・ニーロ。
近年テレ東の映画枠がかなり熱い。
この間も山口百恵と三浦友和共演の作品を5日連続で放送したり、夜中枠で最近面白かったのは終戦記念日直前に放送した「アトミック・カフェ」('82)。
当時のアメリカ軍のプロパガンダフィルムを延々と流すだけの映画なのだけれども、核に被爆して禿げても時間が経過すれば髪が生えてきます云々とトンデモ内容。
そんなアナーキーな放送をし続けるテレ東、先週の「イージー★ライダー」に続き今回に至る訳で、番組内容は良いとしても昨日の「タクシー・ドライバー」はやはり格別であった。
何が格別かと云うと、これでもかと云う大胆な編集に度肝を抜かれた。
ハーヴェイ・カイテルとデ・ニーロが対峙するシーンで、ワンカットなのに切りまくりでハーヴェイ・カイテルがカクカクしているのである。
露骨な編集に普通なら腹を立てるところなのに、あまりの大胆さに笑えてしまった。
極めつけはラストでデ・ニーロが己のこめかみに指で銃を撃つをまねをする「ぶしゅ〜、ぶしゅ〜」のシーンが丸ごとカットされていた。
撃ち合いのシーンでもカットされまくりで、もの凄いスピードで幼きジョディ・フォスターの部屋にたどり着く映画的マジック。
まぁ、放送する為に枠に収めるとは大変なんだなと。

そんなアメリカン・ニューシネマな今日この頃。
来週は「真夜中のカーボーイ」でも観よう。