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Cherenkov LIGHT OST / otom

荒島晃宏監督作品『チェレンコフ光』OST (Album)

May,08 2022 12:00

Introduction

2015年の話になりますが、現役の映写技師にして、文筆業をされている荒島晃宏氏の監督作品で自主製作短編映画『チェレンコフ光』のサウンドトラックを担当させて頂いた。
劇中使用のみで長らく未音源化の作品、サウンドトラック版『チェレンコフ光』ではありますが、この春に荒島氏が自費出版した長編小説『チェレンコフ光』のタイミングに合わせてリリースする運びとなりました。

荒島晃宏 (センソージ・ロックこと荒島晃宏 / @kariyahikaru)

1963年愛知県生まれ。
現役の映写技師にして、文筆業、映画監督。インターネット黎明期よりディープなウェブサイトを運営するなど多彩な人物。
著書に『映画館のまわし者―ある映写技術者のつぶやき (近代映画社刊)』、雑誌月刊『江戸楽』にて映画紹介を連載中。

『チェレンコフ光(ライト)』

人類の多くが生殖能力を失った未来。人口の穴埋めのために生み出された、「経済の奴隷」とも呼ばれる合成人間。人間と合成人間との、危うい共生関係の間に現れる、不思議な能力を持った少女ヒカル。時を同じくして宇宙から届く、謎のウェーブ。ヒカルと、ウェーブとの関係は? その能力の意味とは? 進化に行き詰まり、緩やかに滅亡へと向かう世界で、ヒカルの、彷徨と奮闘を描く、運命の赤い糸の物語、未来形。
(紙書籍版概要より)

『チェレンコフ光』サウンドトラック作品概要

荒島氏が2000年代初頭より書き進めてきた長編小説の壮大な物語の一部を映像化するプロジェクト、エッセンス・ショート・ムービー『チェレンコフ光』の劇伴のお話を氏から頂いたのは、先にリリースした『フィルム・フェチ』(2013)の直後だったと記憶している。2000年代中盤に都内某劇場で同僚だった際に荒島氏に進呈し、その中から採用されたotomの初期作品『Voice Called From Within The Wall / otom』収録の『Night Flight』を中心として、テーマほかいくつかの曲で構成された『フィルム・フェチ』。その方法論とは異なり、テーマ曲のフレーズを軸としてシーンごとにアレンジした楽曲で構成する方法を取った『チェレンコフ光』と云う形となっている。
約500ページの物語のエッセンスを掬い上げた14分の短編作品のサウンドトラックで、テーマ曲の他はシーンに合わせたアンビエントや当時多様していたMax/MSPを微かに忍ばせるなど実験音楽色の強い作品となっている。全体的なボリュームと内容とで、音源としてのリリースには至らなかった今作『チェレンコフ光』サウンドトラックですが、長編小説出版のタイミングにに合わせて内容を追加、変更して発表する事となりました。
今回リリースにあたり、2022年に新たに録音されたテーマ曲のアコースティック・ギターバージョンに加えて、監督の荒島氏よりOKを貰うまでに2013年から2015年の間に作った膨大なデモ曲やバージョンを収録した全48曲/56分の作品となった。13タイプの約30曲のデモからひとつのテーマに辿りつく迄の模索の過程の面白さを追加したローファイかつ実験音楽的要素がこの作品の別の側面であり特徴でもある。数多の映画やサウンドトラックに影響を受けたotomの、根幹の部分を表現したとも云えるアルバムとなっています。

映画『チェレンコフ光』サウンドトラックはBandcampにて2022年5月8日より公開中。

Cherenkov LIGHT (Original Motion Picture Soundtrack)

https://otom.bandcamp.com/album/cherenkov-light-original-motion-picture-soundtrack

前作『フィルム·フェチ』サウンドトラック (2013)

https://otom.bandcamp.com/album/film-fetish-original-soundtrack

小説『チェレンコフ光』エッセンス・ショート・ムービー

☞ Cherenkov LIGHT (Original Motion Picture Soundtrack) / English Commentary ☜ ☜

category: アルバム

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