Dream Away / There is Still Time (Single)
Apr,29 2022 12:00
Dream Away / There is Still Time
Introduction
2022年4月21日リリースの『Dream Away / There is Still Time』は理想と現実をテーマしたotomのシングル。
尾を引くリバーストーンとアンビエンスが特徴の『Dream Away』、ディストーションギター、タイトなドラムをフューチャーした『There is Still Time』のスタイルの異なる2曲で構成。今までのレイヤーを重ねたボーカルやトーンを維持しつつ、メロディの美しさやコード進行、アレンジのシンプルさを追求。2000年代初頭からのアイデアを中心に再構築、2021年11月リリースの『Cycle EP』直後より制作された。otomが影響を受けた’60年代のソフトロックから’80年代のニューウェーヴ、オルタナティヴシーンなどの要素を吸収しながらも、よりポップに表現した作品となっている。
Dream Away
理想と現実の歌。1st EP『Highlife EP』(2004)のアウトテイクとして2003年頃に作曲して長く未発表だった曲。新たに歌詞を変更、アレンジの末に2021年の終わりより再録音された。otomの初期作品の特徴の一つである、一定のコード進行を繰り返すスタイルで構成。リバースエフェクトとミックスされたアコースティックギターやE-bow、フルートなどで浮遊感のあるサウンドとなっている。Cocteau TwinsやThis Mortal Coilのようなフレージング、アンビエンス感に強く影響を受けている。
There is Still Time
嘆きと期待の歌。2010年頃のフレーズをベースに作曲した未発表曲。ソフトロック的なメロディと雰囲気に影響を受けたポップな曲。そこにドライヴしたギターサウンドやフレーズを重ね合わせている。小気味良いタイトなドラムも特徴の一つ。いつもよりシンプルさを重要視した曲となっている。タイトルはスタンリー・クレイマー監督作品『渚にて』(1959)にも登場したメッセージより引用。
Release Note
『Dream Away / There is Still Time』は理想と現実、アンビエントと歪んだサウンドの異なる2つの側面をテーマに、実験的要素とポップ要素を同居させつつ作り上げられたotomのシングル作品。本格的な制作開始は2021年11月リリースの『Cycle EP』完成直後より。2021年暮れから2022年年始にかけて、メインで使用のMacBookやオーディオIF他の機材の入れ替えなど大規模な環境改善を同時進行しつつの為、予定より少し遅れたリリースとなった。
2003年頃作曲の『Dream Away』、2010年頃作曲の『There is Still Time』とデモの段階でほぼ現在の形の為、アレンジにはさほど問題はなかったものの、例によって解像度を上げる作業にミックス、マスタリングに多くの時間を費やす結果となった。定位による音の分離と低域を極力損なわない仕上げを目指しており、従来のものより相対的な音圧も上がっている。
otom初期の作風でもある、一定のコード進行の繰り返しで展開する『Dream Away』に、イントロや間奏、エンディングなどを極力省き潔さを重視したotomの楽曲の中でも短い曲の一つでもある『There is Still Time』のそんな2曲を並べて、曲間で展開させる作品となった。
Outro
2022年にリリース予定の楽曲が多く控えている中で、気付けば4月と随分と時間を費やしてしまったシングル作品。構想中のアルバムを含めて今年中にどれだけリリースできるか考えている今日この頃。
自身の新旧の手法に現在の考えや技術を活かせるだけ活かせた作品、『Dream Away / There is Still Time』です。
どうぞ楽しんで下さい。
『Dream Away / There is Still Time』は2022年4月21日より、Spotify、Apple Musicほかにて配信中。
Process Of Dream Away
シングル1曲目の『Dream Away』の2003年の最初のバージョンから2022年までをミックスした音源を2022年4月29日よりBandcampとSoundCloudにて公開中。
☞ Dream Away / There is Still Time / English Commentary ☜ ☜
category: シングル
tags: インディー・ロック, エクスペリメンタル・ポップ, ベッドルーム・ポップ