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Brilliant Sky Part II / otom

Brilliant Sky Part II (Single)

Oct,21 2020 14:30

otomの新曲『Brilliant Sky Part II』が2020年10月17日よりApple MusicSpotify 他にてリリースを開始しました。
2020年8月8日にリリースの『Fade』に続いてのリリースです。

Brilliant Sky Part II

『Brilliant Sky Part II』は自然の営みの不変とそれに関わる人々について歌った曲。
編み込まれた様なアコースティックギターとコーラスのフレーズを特徴としたこの曲は2008年リリースの4thアルバム『Hidden Sun』に収録の同名曲の続編となる。
インストゥルメンタルのPart Iからの流れのまま、ボーカルが追加され大きく展開する曲調で、オーバーダビングした煌めくアコースティックギターやコーラスのフレーズ、スウィングした軽快なドラムス、粘るベースを土台に象徴的なエレキギターのフレーズを合わせている。そしてPart Iのフレーズに帰結して曲を終える。また、今回はボーカルのオーバーダビングを減らし、より自然な形で表現をしている。
Part Iと同時期に作曲したこの曲はアルバムやEPの構想に長い期間組み込まれ続けているものの、今回はシングルでのリリースとなりました。

この曲(Part II)の解説をする上でまず、試行錯誤を重ねたPart Iの成り立ちと当時の作風を紹介。
2008年当時は久しくバンド活動もしておらず、ギター1本からルーパーなどを多用した1人で可能な表現を模索した時期でもありました。
Part Iの基本となるフレーズの部分は今も継続して好む多重録音されたアルペジオギターの気持ちよさを追求しており、Gastr Del Solの『Black Horse』(Camoufleur/1998)やGlenn Brancaの『Lesson No. 1 for Electric Guitar』(Lesson No. 1 / 1980)、更にはCocteau Twins的な何かみたいなところを目指していました。
これにボーカルが乗ってたら面白いと考えたものの、歌詞作るのが面倒→歌詞を敢えて作らずにスキャット的なコーラスワークで埋めてしまおうと云う流れでPart Iの大筋が決定。
ギターとボーカルの多重録音で異常な大容量が必要となり、ミックスしては重ねてと3つのプロジェクトを跨いだ作品がこのPart Iであります。
そして『Hidden Sun』リリースの直後よりこの多重録音のギターフレーズを元に多くの即興と録音を繰り返して早々にPart IIのメロディの大部分が完成。
同じく構想に入るPart IIIとでEPやアルバムに収録するかを悩みつつ、延々とPart IIのアレンジを進め続け2015年頃よりドラムなどを入れた現在の完成形とほぼ同等の形態に大きく変化。ともかく一度単体でリリースしてみようとなり、ほとんどのトラックを新たに録り直し、またいつもは重ねがちなボーカルの比重を減らしながら定位(パン)の効果を試してみた曲でもあります。
例の如くミックスとマスタリングの地獄の様(この作業が本当に嫌い)な日々の末にようやくの完成して現在に至ります。
そして今回ちょっと厄介だったのが、サブスクリプションにおける表記のあれこれで、特にApple Musicなんかは厳しい規定がある様。自身でしっくりくる字面は『Brilliant Sky Part II』の形であり、自分で設定可能なところはその表記にしていますが、サブスクリプション上ではApple Style Gudeに準拠して『Brilliant Sky, Pt. 2』の形になっています。...どっちでも良いっちゃ良いけれども。

そんなかんなで今回も特定のジャンルをあまり意識せずシンプルにやりたい事をやった曲の『Brilliant Sky Part II』。
otomの考える一つの音楽の形であり、意欲作でもある曲です。どうぞ楽しんで下さい。

2008年当時の『Brilliant Sky Part II』の初期の即興バージョンをSoundCloudにて公開中。

Brilliant Sky, Pt. 2 (20080119 Early Improvisation)

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