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Novel - Timshel / otom

Novel / Timshel (Single)

May,23 2021 13:00

otomの新曲『Novel / Timshel』が2021年5月16日よりApple MusicSpotify 他にて配信を開始しました。
2020年12月20日にリリースの『What to Do Next / Disney Girls』に続いてのリリースです。

Novel / Timshel

Novel

『Novel』は現代の状況を危惧した心境を歌った曲。
少しテンポの速めでシューゲイザー(露骨になるのを避けつつ)やマスロックの要素を取り込んだ雰囲気の曲です。
弾むようなドラムと重ねたボーカルが特徴で、それらに混ざりあうようにギターとベースのラインを構築している。
要所でフーガ的スタイルのフレーズを積み上げつつ、全体の流れの緩急を意識した曲でもある。

Timshel

『Timshel』はシューゲイズ、ドリーム・ポップ的な雰囲気のミドルテンポの曲。
浮遊感漂うギターと何層にも重ねられたボーカルフレーズが特徴。
これらはループの様なドラムフレーズや、自由に動くベースの上に構築されている。
『Timshel』と云うタイトルはジョン・スタインベックの『エデンの東』(1952)より。

Background

新作『Novel / Timshel』は2007年11月15日にリリースしたEP『Hi-Liter』の曲を再構築した両面シングル作品となっています。

Hi-Liter EP
https://otom.bandcamp.com/album/hi-liter-ep

『Novel』(旧Hi-Liter)は当初、『名画座番外地「新宿昭和館」傷だらけの盛衰記 (幻冬舎アウトロー文庫)』の著者、故川原テツ氏のウェブサイトに寄贈の形で作られた経緯があります。
川原テツ氏が新宿昭和館を退社後に勤務していた浅草の某劇場で同僚として、またotom自身が単身ウェブ制作会社を立ち上げた際には制作依頼第1号と云う事で長らくお世話になりつつ、未発表含め氏には色んな曲を送らせて頂きました。
またドストエフスキーにどっぷりだった時代にスタインベックを教えて貰ったのも氏からで、それがなければ今作の『Timshel』や『Grapes』の詩は生まれなかったと思われます。因みに旧タイトルは川原テツ氏が愛飲していたhi-liteから。
そして『Timshel』(旧Another Hi-Liter)はHi-LiterをEPとしてリリースする際に歌詞は変えずに全く違う事をやると云う事で作った曲で、自身でのこの曲の呼び名は長い事ジザメリとコクトー・ツインズだった事もあり、影響を深く受けた曲に仕上がっているかと思われます。またコーラスの畳み掛けは自身がこの頃からよく使っている手法であったりします。
そんなかんなで2016年辺りから歌詞を含めた全体の再構築プロジェクトを開始し、ミックス、マスタリング地獄を経て生まれ変わったのが現在の形になります。

『選ぶべきもの』をテーマに仕上げた、otomの新作『Novel / Timshel』です。
どうぞ楽しんで下さい。

『Novel』の再構築バージョンのリミックス音源を2021年5月22日よりSoundCloudにて公開中。
otomのほとんどの曲に共通してできるのが一瞬、ミックス~マスタリングに異常な時間が掛かると云う事でその苦しみからの解放感のまま楽しんでやっています。曲の作り始めとこの作業が一番楽しい。

Novel (Remix)

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